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国民の1番の不安は「老後の生活設計」

「老後2000万円問題」

 コロナウイルスが世界中を席巻して4年が過ぎました。
この間、当然のことながらメディアが取り上げる話題もコロナ一色に染まってしまいましたが、今思い返してみるとコロナ禍前2019年に大きな話題になっていたのは、金融庁の金融審査会がまとめた報告書において「平均的な夫婦世帯が老後30年間生活していくためには年金だけでは足りなくて2000万円ほどの貯蓄が必要だ」とされたことでした。
いわゆる「老後2000万円問題」です。
「老後2000万円問題」はコロナが収束して平時の状態に戻った今、再び国民的関心を集める大きな問題となってきました。しかもコロナによって国も、企業も、個人も経済的な打撃をこうむりましたし、テレワークの普及などにより働き方や将来の雇用形態などにも大きな変化が起きた中、老後の生活設計も以前とは違う要素を加味していく必要が出てきました。

「国民生活に関する世論調査」

毎年内閣府から「国民生活に関する世論調査」が公表されます。
現在は令和4年10月のものが最新ですが、それによると、日常生活での悩みや不安を「感じる」と回答した人が、78.0%にのぼり、不安を「感じる」とした人に、どのような内容が不安かを尋ねたところ(複数回答)、具体的には「老後の生活設計」が最も多く、63.5%にも達しました。
年齢別に見ると,「老後の生活設計について」を挙げた者の割合は50歳代78.6%、60歳代75.4%が例年どおり高くなっていますが、最新の調査結果の特徴は40歳代63.7%、30歳代52.3%、18歳~20歳代34.8%に達し、30歳代20歳代ですでに老後の不安を感じる人の数字が高くなっていることです。
このことは年金問題に絡み老後の生活に対する不安が、中高年層だけではなく若年層にも拡がってきていることを表していると言えるでしょう。

大多数の人が将来不安(特にお金)を感じながら生活をしている

今、多くの人々が自分たちの老後に不安を感じているのは、戦後の経済の右肩上がりの時代が終わり、20年余りの不況の後、東日本の大震災と原子力発電事故を経験し、少子高齢化が進む社会の中で、自分たちの明確な将来像を描くことが難しくなっていることの表れです。
大多数の人が、今後の経済・社会構造の変化を察知し、将来不安(特にお金)を感じながら生活をしています。
その中でも、そろそろ人生の後半戦に入ってきている50歳代以降の方は、突如として沸き起こった「老後の生活には年金以外に2000万円が必要」との金融庁の金融審議会報告書問題にショックを受けており、50歳未満の世代は年金支給額の減額や支給開始年齢の引上げ等の議論を受け、現行社会保障制度そのものに対し強い不信感を抱いていると思われます。

日本の社会はかって経験した事がないような荒波に飲まれようとしています。急速に進行する少子高齢化社会。そしてそれに続く『人口減少社会』の到来。その人口減少規模は、今後50年程の間に約4000万人(32%)にも及ぶと推定されています。これによってどれだけの市場と労働力が喪失するかは想像に難くありません。
このような中では、個人も企業も発想を変えなければ生き残れない時代になってきています。年金・保険・税制・雇用、どれをとっても、今後、制度が大きくかつ厳しいものに変わっていくはずです。
『老後の生活設計』は誰もが避けて通れないものです。私達は最新の知識を手に入れ、自分の置かれた状況を早めに分析して、将来の経済的な安心を築いて行くことが求められています。

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