ねんきんシニアライフ研究室

社会保険労務士· CFPファイナンシャルプランナー· 1級ファイナンシャルプランニング…

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社会保険労務士· CFPファイナンシャルプランナー· 1級ファイナンシャルプランニング技能士· 行政書士·宅地建物取引士 などの資格保有者です。 専門知識を生かして、経済・社会の激しい変化に適応できる老後設計・資産形成を研究して発信していきます。

最近の記事

的外れの少子化対策で迎える 2026年「丙午」(ひのえうま)             

60年ぶりの「丙午」(ひのえうま)で試される日本社会  2年後の2026年、60年ぶりの「丙午」(ひのえうま)の年がやってきます。 前回1966年の「丙午」は人口ボーナスを謳歌する高度成長期の真っただ中であったにもかかわらず、前年より25%も出生数が減少し、日本社会の前近代性が如実に表れたかたちになりました。出生数の推移を示す下のグラフで明らかなように1966年はその年だけ櫛の歯が1本だけ欠けたように特異な状態を示しています。当時の日本の人々にはそれまで続いてきた迷信を打ち

    • “失われた30年”は          失われる100年”の序章に過ぎない

       日経平均株価が史上最高値を更新しました。株式市場は久しぶりに活況を呈し始め、急激な円安を含め、日本経済にとって明るい空気が醸し出されています。熊本県に建設された台湾の半導体メーカーTSMCに対する期待感も高まり、日本は再生するという希望を抱かせるような空気感がしばらくは続くかも知れません。しっかりとリスク管理をしたうえで、この上昇気運に乗ってみるのも良いかもしれません。  ただ私はこの雰囲気を歓迎しながらも、一方で、これが将来に対する過剰な楽観論を生み出して、現実を覆い隠し

      • 人口オ―ナスと人手不足で苦しむ日本

         国立社会保障・人口問題研究所が2023年に発表した令和2(2020)年国勢調査に基づく全国将来人口推計を見ると、今後、日本の人口がどれほどの規模でまたどれほどのスピードで減少していくかがよく解ります。 日本の人口が最も多かった最後の年である2008年から2020年までの12年間に減少した人口は190万人程です。このくらいですと私達は日常生活で社会の高齢化は肌で感じても、人口減少は実感していないかもしれません(もちろん地域差はありますが)。  しかし今後50年間の減少規模の推

        • 人口減少はもう止められない

          トレンドはもはや変えられない!  人口減少、特に労働力人口の減少を食い止める為に少子化対策が叫ばれて久しいですが、近年の著しい人口減少ペースを見て、岸田内閣は「異次元の少子化対策」を最重要課題に掲げ、児童手当や給付金など子育て世代への支援に対する予算を厚くし、人口減少のトレンドを何とか「増加」に変えようと苦慮しながら、様々な施策を打ち出しています。  一方、政治家、特に地方選挙の候補者の政策を聞くと、「子育て世代の手厚い支援で人口を増加させます」といった類いの政策主張をよく

        的外れの少子化対策で迎える 2026年「丙午」(ひのえうま)             

          老後設計に影を落とす「人口問題」

          リタイアメントプランの作成 FP(ファイナンシャルプランナー)の仕事の1つに「リタイアメントプラン」の作成があります。これは、主に定年退職前の方を対象に老後の生活設計のお手伝いをするしごとです。 老後の生活設計で大事なのは「健康」・「生きがい」・「お金」の3つだと言われていますが、実際この内の1つでも欠けていると「ハッピーリタイアメント」というわけには行かなくなります。 FPはこの3つの内、「お金」の部分に関し、クライアントの高齢期の夢や希望を伺った上で、個々の年金や就労に

          老後設計に影を落とす「人口問題」

          国民の1番の不安は「老後の生活設計」

          「老後2000万円問題」  コロナウイルスが世界中を席巻して4年が過ぎました。 この間、当然のことながらメディアが取り上げる話題もコロナ一色に染まってしまいましたが、今思い返してみるとコロナ禍前2019年に大きな話題になっていたのは、金融庁の金融審査会がまとめた報告書において「平均的な夫婦世帯が老後30年間生活していくためには年金だけでは足りなくて2000万円ほどの貯蓄が必要だ」とされたことでした。 いわゆる「老後2000万円問題」です。 「老後2000万円問題」はコロナが

          国民の1番の不安は「老後の生活設計」