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センジュ出版の使命とは

このところ、社内外のメンバーによって、センジュ出版の方向を明確に表出させていく話し合いが継続して持たれている。

「しずけさとユーモアを大切にするちいさな出版社」。
これが、創業時から掲げてきたセンジュ出版の言葉。
おそらく、企業ブランディングの視点からすると、スローガンに当たるのだと思う。

この言葉は、センジュ出版の使命から派生し、
同時にこの使命から価値が生み出され、
この使命をもって実現したい未来へと近づいていき、
この使命に基づき、一人ひとりの行動が定められていく、
らしい。

センジュ出版は実はこれまで、この使命の部分を社内においても明文化してこなかった。
主にわたしが直感的に進めてきたあれやこれやではあったが、
それらを読者やサービスの受け手の方々がどう感じたのか、どう評価したのか、
その中に、センジュ出版の使命があるように思えたためだ。

その意味で、顧客との対話には膨大な時間を優先させた。
これも、講演した際に参加された方から教えられたことだったが、
「出版社が通常、著者との対話をするのは想像に難くない。
 でも、センジュ出版は読者との対話をかなり重ねている」
と教えられた。
これには、言われて初めて気付かされた、といった印象だったが、妙に腑に落ちたし、
さらには実際、センジュ出版の背中を見るかのように、
今ではこの会社が続けてきた対話を、自ら率先してくれる読者が次々と現れ始めている。

使命を具体的に掲げなかったのは、わたしがこの会社自体の編集をしなかったことも影響している。
著者を人前に出すために、どう見せるか、どう伝えるか、そのことを黒子になって考え尽くすことがこの仕事の面白さだが、
著者のことは考えても、
自社を前に出すこと、自社の意志を自社の言葉で表現することには一切発想が及ばず、
あまり重きを置かずにきたのかもしれない。

センジュ出版の使命を知りたければ、そこから出る本を読んでくれればいいと、今でもどこかそう思っているのも事実だ。

とはいえ、会社を立ち上げ今月末で丸6年。
自分が望むというよりも、社内外の大切な仲間からの声で、
センジュ出版は深化から来る進化を求められるようになった。
ゆっくりと、信じた本を作り続けるために、
たしかな基盤が必要になってきた。

そこで、冒頭の話し合いが、今年になって出会った方々の強いご協力もあり、スタートしたというわけだ。

今、この6年で聴き続けた顧客からの声にもう一度耳を傾けながら、センジュ出版の使命を、価値を、行動を、言葉にする作業を進めている。
息子の夏休みの宿題は終わったけれど、こちらの宿題はもう少しかかりそう。
とはいえ、6期の最終日にはこれを固め、スタッフと話し合いを持つことにした。

目の前の、手の届く範囲のことだけを思ってきたこの6年。
これからは、センジュ出版と共に目の前のことを大切にしてくれる読者を含めた、
これまで対話を重ね続けた数多くの仲間と一緒に、
目の前、の範囲をグッと広げてくことになるだろう。
これまでと変わらないやり方で、
変わるのは、同じ未来を目指す、頼れる仲間の数。
思い描くキャンバスのサイズを、7期目からは上げていこう。
大きくなったキャンバスにどんな絵を思い描くのか、
センジュ出版の使命を筆にのせ、もう少し考えてみようと思う。

大切な、一冊、一冊の、一人、一人のために。

#今日の (正確に言うと昨日の)一冊
#限りなく透明に凛として生きる
#佐藤初女
#237 /365

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