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正信偈講座6 「本願名号正定業 至心信楽願為因」

正信偈 6
 
本願名号正定業 至心信楽願為因
 
法蔵菩薩が仏になるにあたって建てた48個の約束を四十八願と言いました。その中でも、18番目、第十八願と呼ばれるものが、法蔵菩薩の最も大切な願いです。これを本願と言います。
 
「(十八)わたしが仏になるとき、すべての人々が心から信じて、わたしの国に生れたいと願い、わずか十回でも念仏して、もし生れることができないようなら、わたしは決してさとりを開きません。ただし、五逆の罪を犯したり、仏の教えを謗(ソシ)るものだけは除かれます。」(浄土真宗聖典浄土三部経-現代語版- 本願寺出版社 29ページ)
 
この本願に説かれる念仏というのは、あみだの仏さまの名前を言うことです。あみだの仏さまの名前のことを、特に、名号(ミョウゴウ)と言います。号というのは號とも書きまして、獅子が吠えたときのように大きな声、つまり、世界中に響き渡る名前であるという意味があります。
 
私たちは名号、南無阿弥陀仏の言葉でお助けされますので、念仏することは正しい行いです。逆に、念仏以外のすべての行いは、地獄直行の種作りとも言えます。極悪人のすることだからです。でも、地獄直行の種がいくらあったとしても、やっぱり助けるという仏さまがあみだの仏さまです。地獄直行の生活の中に、それをものともしない正しい行いがある、もっと言えば、念仏をするということは自分の意思ではありません。念仏をしようという自分の意思の前に、念仏をさせようという仏さまの意思があります。水面が光を反射するように、仏さまの意思を映して、口から念仏が出てくるのです。その発生源は仏さまです。極悪人の方で始めた行いでは無いからこそ、必ず助かる行いであって、これを正定業と言います。
 
本願をさらに別名、至心信楽の願と言います。本願を読んでみると、私たちは名号で助かるということがはっきり書いてありますね。極悪人である私たちをどうやって助けるかを示したから、第十八願が本願です。浄土真宗の核です。

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