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元銀行員は見た 債権者会議で自分の本を売る弁護士

 みなさま、熱い日々が続きますがいかがお過ごしでしょうか?

 今回は今から15年ぐらい前でしょうか、ある会社の民事再生に至る弁護士対応で面白いことがあったことを思い出しながら書きたいと思います。何卒お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

〇100億円企業の社長からの破産相談はバニーちゃんのいるお店で・・・

 あるひ、知り合いの紹介で今日にでも手形が不渡りになりそうな会社があるということで相談がありました。北関東の年商100億円クラスの会社です。
 打診があったのがその日の夜、呼び出されていったのがなんと、バニーのかっこをしたお姉さんがたくさんいるお店!笑
 アルコールをちびちび生きながらことの経緯を聞くのですが、周りを網タイツのバニーちゃんがうろうろしているので落ち着きません。
 さすが年商100億円の企業の社長は豪快だなあと逆に感心したものです。
 さて、これからどうしたものかということで、さすがに不渡りも出てしまっており情報も出回っているので弁護士マターですねということで知り合いの弁護士を紹介し相談することにしました。

〇フーン、じゃ着手金2000万円で

 昔ある事件で有名になった港区の弁護士先生のところをご紹介し、ことの経緯を話して、民事再生で行こうということになりました。
 要因としてはその時期的な要因もあったのですが強力なスポンサーが付きそうだったということが大きいです。
 そして、弁護士先生が気楽な感じでふんふん、じゃ着手金2000万でね!と軽く言います
 それに対して社長も、いいっすよ~

 うーん、お互い豪快だなあ・・・

 まあ、年商100億くらいあるということは、月商が10億弱あると、ということは現在ある売掛10億弱から2000万円の回収だからそりゃ行けるなということです。
 破産ではないけれども、弁護士費用はほかの支払いがストップする中でも優先するからなせる業なのですね

 最終的にその弁護士事務所は本案件の報酬を5000万円ぐらい獲得し、伺うたびにスタッフが増えて事務所もきれいになっていったのも笑える話です。


 

〇嵐の債権者会議、自分の本を売る弁護士

 さて、民事再生となると、過半数の債権者の同意が必要になります(数、金額ともに)そしてこの同意が取り付けられないと破産となってしまうのです。
 債権者会場に選ばれたのは、北関東のまるでコンサートが行われるような会場。
 負債額も50億以上もあるしそりゃ債権者数も数百人を下らないまるでコンサートのような盛り上がりでした。
 しかし、民事再生となると債権カットは一般的にも7割8割ともいわれますし、騒いだところで債権者としてもどうしようもない、憂さを晴らすように怒号を発する債権者もいますがそれも想定内です。

 ふと広ーい債権者会議の会場を見渡すと、出入り口に机が置かれ本が並んでいるではないですか・・・
 みてみると、例の弁護士先生の著書が平積みにされ販売されています。笑

 債権者に対する弁護士の本件の民事再生案件の経緯の説明の中で、「え~皆さんも新しく施行された民事再生について勉強した方が良いので、入り口で私の書いた本があるからそれで勉強してください」なんて言ってるじゃないですか・・・・

 いや~豪快で面白い

〇いい経験をさせていただきました

 民事再生に関しては、私は法曹界の人間ではないのでこの時初めて関与したのですがすごく勉強になりました。いわゆるアメリカでいうチャプター11という制度に似たもので、大企業が使う会社更生法的なものを中小企業にも使えるようにしたものだったと思います。
 しかし、費用が高いし、スポンサーが付くかどうか、租税債権が大きいかどうかなど簡単に選択できない制度でもあるようです。

〇クルーザーや自宅のオフバランスのお手伝い

 僕としては、民事再生の事務のお手伝いとともに、コンサルの本業として会社が持っていたクルーザーのオフバランス、リースバック(バランスシートから外して所有権を変え賃借して再度利用できるようにする)をしたり、社長の自宅も同様にその手続きをしたりしました。
 これは本業としてもうけさせていただきましたが、案件が大きかったので失礼ながら面白い案件でした。

 後日東京湾で行った社内の納涼屋形船のイベントで、桟橋でみんな止まっているとくだんのクルーザーが偶然隣で発着しているのを見て、ああ、元気にやってるんだなと感慨深い思いにふけったことが懐かしいです。

〇債務が大きいと良くも悪くも振り切れる

 だらだらと思い出しながら書かせていただきましたが、すごく思うのは
このクラスの破産、法的整理案件になるとこりゃもうどうしようもないと社長も最初から腹をくくっているのですね。
 だって債務額が数十億なんてなったら、言葉は悪いですが保険金目当てに変なことを考えたりしたところで到底間に合いません。
 もうまな板の上の鯉状態とも言えます。

 それに対して借り入れが3000万だったり1億だったりのレベルでどうにか頑張れば返せるかもという金額の場合の方が社長もいろいろ考えることが多いように見受けられます。

 日本の中小零細企業の皆様も、これからコロナ融資の返済が始まるといいうことで悩まれている方も多いかと思いますが、上記のことも念頭に前向きに取り組んでいただければと思います。
 もちろん弊社としてもお手伝いできることがたくさんありますのでお気軽にご相談をいただければと考えています。(借り換えやリスケジュール)

 ご拝読ありがとうございました!

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