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個性が輝きワクワクする瞬間を。鹿島早織さんインタビュー【2019年5月期受講生課題記事】

※こちらは「ライティング基礎ワークショップ(2019年5月期)」の受講生が、課題として作成したインタビュー記事です。

——どのようなきっかけで、今の職場に就職されましたか?

私は学生時代、個性が輝く瞬間やワクワクする事に立ち会えた時に、すごく幸せを感じていました。

そういう仕事ってなんだろうと考えて、障害者の雇用支援をする今の会社に就職しました。

障害のある方が自分の弱さも強さも受け入れて活かせる社会は、みんなが生きやすく輝ける社会になると思ったからです。

——確かに福祉には、個性が輝きワクワクする瞬間がたくさんありますよね。

私は障害のある方から勇気をもらった経験がたくさんあります。乙武さんの「五体不満足」を小学生のときに読んで、“すごいな。自分も頑張ろう”と思ったり、熊谷先生の著書を読んで、“弱さって発信してもいいんだ”と知りました。

自分から助けを求めたり、人の手を借りて社会と繋がっていく障害のある方はすごいと尊敬する気持ちも心の底にはありました。

——今は編集をする部署にいてモヤモヤしていると伺ったのですが、そのモヤモヤは具体的にはどんな事ですか?

やりたかった仕事とは、ちょっと違うと感じています。

私は直接人と触れ合えるカウンセラーがしたいと思っていました。障害のある方に、どういう仕事がしたいか伺って紹介をする職種です。

今はチームメンバーが取材してきた求人を構成し、外部のライターさんが書いた文章を編集しています。

誰とも関わらないで仕事をしていると、“私が助けたいのは誰なんだろう”と感じてモヤモヤしてしまいます。

——モヤモヤを抱えながらも、こうしてライティング講座に参加しているのはすごいですね。その原動力は何ですか?

自分が携わった求人を読んだ障害のある方に、 “こんな仕事がある。ワクワクする。”と思ってもらいたいからです。ちゃんと希望を与えられる文章にしていきたいです。

ウェブなので、マッチングの機会を作ろうと思えば、たくさん作れます。障害のある方一人一人が、自分の未来にワクワクする機会をより多く作りたいです。

また、何もやらないまま、ちょっと違うからと辞めるのは、悔しいと感じています。与えられた役職と機会を使って、自分ができることをやりたいです。

——ワクワクする瞬間に立ち会いたい気持ちが根底にあり、今の仕事では多くの人にその機会を作っているのですね。

カウンセラーの仕事は1対1なので、機会を作るには限界があります。でもウェブは何千人、何万人が見ていて、より多くの機会を作れます。

それが今の職種の良いところだと思っています。一人一人の顔は見えないけれど、想像力を働かせればいいだけなので。

——今後やりたいことはありますか?

現在の障害者雇用において、障害のある方が、“企業に定着しなくちゃ”“苦手は克服しなくちゃ”と頑張ってしまう現状があります。その理由は、障害者法定雇用率があり、企業が紹介料を支払うことでビジネスとして成り立っているからです。

それはやっぱり変わっていくべきだと考えています。何かしら出来ないことは、健常者も持っていると思うので。

障害者枠で働いている人が集まって当事者研究をしたり、同じチームで当事者研究をして、コミュニケーションを促す取り組みをしている企業もあります。

“障害者も健常者も関係なく、気持ちよく働ける職場ってなんだろう”
“よりよく生きるとはなんだろう”

今やっている求人の編集とは違いますが、考えていきたいです。

(インタビュー・文/叶世美奈)
(写真/ Sergey Shmidt on Unsplash

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