あえて“専門分野に特化しない道”を選んだ理由とは?【Writer's Career Library 03】——ハイライト&アーカイブ動画のご紹介
「書いて、生きていく」ための手段や道のりは千差万別。ライターひとつとっても、学生のころからフリーライターをやっていた人もいれば、まったく違う職種をへてキャリアチェンジした人、副業で書くことを続けている人など。想いもキャリアも人の数だけあります。
「Writer's Career Library」では、いま活躍しているライターさんたちが、どんな道を辿りながら、どんなことを考え、悩み、積み重ねてきたのかをじっくり伺い、そこから皆さんに“生きた学び”を得てもらうための企画です。
書いて生きていきたいと思っている人が、その一歩を小さくでも踏み出せるきっかけに。
書いて生きている人が、その足取りをもっと軽やかに、力強くしていくための後押しに。
仕事人の先輩の経験談から、参加者がそれぞれのキャリアに必要な“気づき”を見出していきます。
大矢幸世さんに訊く、「わかりやすい強みを作らずとも、仕事が仕事を呼ぶサイクルを生むには?」
2022年5月17日(火)に開催した第3回のゲストは、フリーランスの編集者・ライターの大矢幸世さん。大矢さんは、ビジネス系媒体、カルチャー系媒体、オウンドメディアなど、幅広いジャンルのメディアで取材・執筆・編集をされています。ライター界隈では「専門性があるほうが仕事が来やすい」とはよく耳にする言葉ですが、大矢さんは「自分の性質を踏まえて、専門分野に特化した道を選ばなかった」と言います。
わかりやすい強みを作らなかった大矢さんは、一体どんなキャリアを積み重ねていくことで「仕事が仕事を呼ぶ」サイクルを繋いでいったのでしょうか。また、ライター業を「暮らしたい社会につながる仕事」と捉えている大矢さんに、この仕事の醍醐味や可能性、率直な楽しさについて聞きました。
イベントのハイライト
1. ライターになっていくまで
雑誌が好きで制作者に憧れを持ち、大学で情報メディア学系に進学
カルチャー誌『SWITCH』から受けた、文章への影響
ニートを経て、手に職をつけるために、フリーペーパーの制作会社の企画営業に
「大矢さんって書ける人なんだな」と社内の人に認知してもらう
2. ライター駆け出し時代
駆け出し時代にご縁から突然、書肆侃侃房から初の著書を出すことに
杓子定規な一問一答ではなく、相手との対話を楽しんで
交流会で出会った編プロの人からネットニュースの仕事を受託
初めて自分の原稿に先輩から赤入れをもらう
3. 著名人へのインタビューで気をつけていること
ほぼ初めての著名人取材は佐藤可士和さん
事前リサーチをどこまでするか
インタビューは会話として楽しむことが大事
4. 仕事が仕事を呼ぶ、大矢さんの「仕事の流儀」
記事クレジットや制作パートナーさんきっかけで、仕事が仕事を呼ぶ
締め切りを守るのが苦手だけど、編集からもらう赤字が少ない
ざっくりとした依頼からでも、求められている記事を理解した上で、完成度の高い原稿を出せる
関わる媒体の記事を読み込んで傾向をつかみ、取材時の抑えるべきポイントを外さない
仮の読者として質問する
媒体や取材相手に合わせて書く方が性に合っている
なんでも面白がれるが故に、関わるジャンルが多様に
自分の「好き」を言葉にする
少しの縁が思わぬ仕事に
書いた記事でしか、伝わらない
最近の悩みは、どんどん書くのが遅くなっていくこと
5. 仕事における「真摯さ」「正直さ」とは
違和感をスルーせず、目的に立ち返る
記事に自分の名前が出るからこそ、意志が大事
6. ライターのいいとこ、悪いとこ
「暮らしたい」社会や「こうなったらいいな」に1mmでも記事で貢献したい
コスパ度外視で、自分の好きな取材先や案件を受けることもある
7. 参加者からの質問・相談コーナー
今後のキャリアをどう考えていますか?
仕事の単価やスケジュールで意識していることは?
仕事のポートフォリオのバランスをどう考えていますか?
ダイアローグ(会話)形式の記事を書く際に意識していることはありますか?
取材中、自分の思いや感情と取れ高をどう意識していますか?
取材対象者を後押しできる、という点を詳しくお聞きしたいです。
自分の「好き」や「興味関心」を仕事につなげるためにやっていることはありますか?
ゲストプロフィール
大矢幸世さん
<プロフィール>
1982年愛媛生まれ、群馬、東京、福岡育ち。立命館大学卒業後、西武百貨店、制作会社を経て、2011年からフリーランス。鹿児島、福井、石川など地方で活動。2014年末から東京を拠点に移す。ウェブや書籍などで執筆・編集を行う。編集協力に『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』(中村朱美著・ライツ社)、『マイノリティデザイン─弱さを生かせる社会をつくろう』(澤田智洋著・ライツ社)、『最軽量のマネジメント』(山田理著・サイボウズ式ブックス)、『グーグル、モルガン・スタンレーで学んだ 日本人の知らない会議の鉄則』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著・ダイヤモンド社)など。自著に『鹿児島カフェ散歩』(書肆侃侃房、撮影も担当)。
🔘 執筆記事まとめ:https://note.com/saci/n/n787a53424024
🔘 Twitterアカウント:https://twitter.com/saci_happiness
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