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【売春風土記】第6回 真夏のお手紙

場所:市ヶ谷、(株)鉄人社『裏モノJAPAN』編集部

 8月16日、月刊「裏モノJAPAN」編集部のわたし、仙頭宛に一通の封筒が届きました。封筒を裏返すと、そこには知人の立ちんぼ嬢の名前が記されており、併せてこんな住所が…。

東京都葛飾区小菅1−35−1

 …マジか。うちの編集部には刑務所や拘置所からのネタ投稿がちょくちょく届くので、その住所が東京拘置所だということがすぐにわかりました。あの子、捕まっちゃったのかよ…。
 封筒を開けてみる。入っていた手紙には、2か月ほど前に逮捕され、最近、裏モノJAPANを手に入れて編集部の住所がわかったんで、手紙を送ることにしたと書かれていました。なぜ捕まったかについては明記されていませんでしたが、罪状はたぶんまぁ立ちんぼ売春でしょう。
 立ちんぼ売春は、もちろん犯罪です。初犯でかつ身元引受人がいれば10日勾留くらいで釈放されますが、前歴がある場合はある程度の受刑生活を送ることになります。
 彼女はどうだったっけ? 初犯ではない。2回目だったかな、3回目だったっけ?
 そんなことを漠然と考えていたところ、手紙の冒頭の一文に改めて目がとまりました。

『夏ですね。ハイジアは暑いですか? 東拘は暑いです』

 いい書き出しだなと思いました。塀の中からの手紙に対してこういうことを言っちゃアレなのかもしれませんが、何だか景色が見えてくるし、語呂のリズムも爽やか。読む側のこちらの中にすーっと入ってきます。それこそ『そう京』のキャッチコピー並に。
 よし、お返事を書こう。
 ◯◯◯◯さん、2019年夏、オレ的“時効のあいさつ大賞”は、キミに決定です!

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