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瀬尾夏美
2020年8月15日 04:51
※Rは沿岸のまずしい田舎まち。ーー私は戦地に行く戦争が怖いとか死ぬのが怖いとか、そういう気持ちは特にない本当になんというか、取り立ててこれと言った感情がないただ世の中がこうだから、時期が来たら行くものだと思っていたそれが明日なのか来月なのか来年なのか、どれもあり得るし、どれでもよい、というような気がする労働でくたくたになった身体で床につき、そんなことが一瞬頭をよぎって、次の瞬間
2020年3月11日 18:07
それは、春になる前の寒い日のこと午後の仕事が落ち着いて、ちょうどひと息入れようかというころにね大きく大きく、地面が揺れた遠くの海がたちまちふくれ、そのままぱちんとはじけてしまって、まちに覆いかぶさった雪降りの夜が明けて、浮かびあがってきた風景にみなが立ち尽くしていたときにね男の人たち、壊れたまちまで降りて、生き残った人を探したんだよ毎日毎日探してね助けられた人もいた