サピエンス全史(上巻第三部)

第3部 人類の統一

第9章 統一へ向かう世界
文化:人工的な本能のネットワーク

認知的不協和が文化の原動力であり、種の創造と活力の根源
e.g.自由と平等

世界の統一
地政学制度(国家という単位で分割されていること)、経済制度(資本主義)
法制度(人権と国際法)、科学制度(原子構造などの見解の一致)

紀元前1000年に普遍的秩序なる3つ登場
①貨幣(経済的なもの)
②帝国(政治的なもの)
③宗教の秩序(宗教的なもの)

私たちvs彼らという二分法を最初に克服したのは、貿易商人(全世界は単一な市場)であり、征服者(全人類はすべて臣民)、預言者(単一の真理を全人類が信じる)であった

第10章 最強の征服者、貨幣

都市や王国が台頭し、輸送インフラが充実すると専門家の機会が生まれた
⇨物々交換経済の難しさ:商品の相対的な価格を毎日改めて確認する必要がある
⇨貨幣の発達
⇨信頼に基づく

最古の通貨:紀元前640年頃 う6 アナトリア西部のリュディアの王 アリュアってす
通貨はその国の王の権力に裏ずけられており、偽造は大逆罪となった
近代以降、単一の通貨が広まったことで、アフロ・ユーラシア大陸含め、全ての大陸が単一の経済・政治圏となる基礎がかたまった

宗教は、特定のものを信じるように求めるが、貨幣は他の人々が特定のものを
信じていることを信じるようように求めたがる

今までのコミュニティ・共有される絆といったものが貨幣経済にとってかわろうとしている。ダムを壊してはつくり直し、の連続

第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン

帝国:文化的多様性と変更可能な国境によって定義される
典型的な流れ
⇨外部からの侵略やエリート支配層の内部分裂によってのみ倒された
⇨何百年も隷属状態
⇨征服者である帝国にゆっくり消化され、やがて固有の文化はなくなった

帝国は殺戮、迫害から成り立ち、多くのお金を軍だけのためでなく、哲学や芸術、道義や慈善を目的とした行為にも回した

最初の帝国
紀元前2250年頃 サルゴン一世のアッカド帝国
サピエンスは人類を「私たち」と「彼ら」の2つの部分に本能的に分ける
言語・宗教・習慣のみ共有し、外部のものに対しては一切責任を追わなかった
⇨キュロス以降は包括的・網羅的傾向をもっていた
⇨帝国ビジョンを特に強くもっていたのが中国:天が最もふさわしい人物あるいは
家系を選び、天下を支配する e.g.始皇帝
「彼ら」が「私たち」になるとき
⇨帝国下では思想・財・テクノロジーの広がりが分裂した地域より簡単に広がった
⇦理由1:法律・書式・言語・貨幣が標準化されていたから
⇦理由2: 支配者よりも非支配者のほうが恩恵を受け得るという正当性を植え付けた
ローマ帝国・スペイン帝国・ポルトガル帝国も同じ手法(哲学・慣習・宗教)
ソビエト連邦(理想的な労働階級独裁)
イギリス(自由主義・自由貿易)
アメリカ(民主主義と独裁)

現在では多くの人が人権を擁護して、全人類の利益を守ることが政治の指針であるべきだと考えるようになってきている
⇨200近くの独立国があることはこれの妨げになりうる
⇨が、国家はグローバル市場の思惑や企業、NGO、世論、国際司法制度の影響をますます多く受けやすくなっている
⇨という意味で、全世界で帝国主義化しつつあるといえる
⇨多民族のエリート層によって支配されている
⇨これからのエリートたちが帝国に参加するか、国家と民族に忠誠を尽くし続けるかはじっくり考える必要がある

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