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書籍感想:『AWSコンテナ設計・構築[本格]入門』

書名:AWSコンテナ設計・構築[本格]入門
著者:株式会社野村総合研究所 (著), 新井雅也 (著), 馬勝淳史 (著), NRIネットコム株式会社 (監修), 佐々木拓郎 (監修)
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目的:AWSを使用したコンテナ設計について基礎を知る。設計の考え方について学ぶ。
読者:SE3年目 主言語Java AWS利用経験半年 コンテナ設計経験無し

概要(Amazonより抜粋)

▼本書のポイント
・最新の「AWSサービス」をフル活用
・手順がしっかりわかる「ハンズオン」
・「ユースケース」から学ぶ最適な設計
AWSにおけるコンテナ環境の設計・構築のノウハウを凝縮、
基本から実践的な知識まで、しっかりと学べます。
▼対象読者
本書では、次のような読者の方々を想定しています。
・これからAWSを活用してコンテナを学習しようとしている方
・オンプレミスからクラウドネイティブなアプリケーションへの移行を検討
されている方
・Lift& Shiftに向けて、コンテナを活用しようとしている方
・プロダクション運用を念頭に置いたコンテナ設計を体系的に学習したい方
・自ら手を動かしながらAWSサービスを学びたい方

インフラエンジニアとして役立ちそうな点

  • そもそものコンテナとは何か、AWSでコンテナ設計を行うならどんなパターンがあるか、Fagateとは、Kubernetesとは、Dockerとは、などなど、初歩的な内容もある程度かみ砕いて説明してある。初めてコンテナを知るという場合でもなんとかついていける。

  • AWSの勉強をするための資料までまとめてあった。公式ウェビナーやワークショップなど。

  • 信頼性・パフォーマンス・コスト最適化について、どの観点でどのサービスを利用するかについて例が上がっている。

新しく知ったこと

  • AWSの構築をコンソールからではなくソースコードから行う場合も増えてきたため、インフラエンジニアとSEの境が薄くなってきている。

  • X-Rayによるログ出しなど、コンテナ設計がソースコードに影響を与える場合がある。そのためインフラエンジニアだけではなくプログラマにもコンテナの知識が必要になる場合がある。

  • 本番だけでなく開発環境構築もインフラエンジニアの仕事であるため、開発開始前に設計完了・環境構築を行っておかないと開発に着手できない。

  • ロギングの際のCloudWatchLogsとFireLensの使い分け。CloudWatchLogsでは複数場所にログを送れないので、S3とCloudWatchLogsに送りたい場合はFireLens経由を推奨

  • メトリクス設計。CloudWatchContainerInsightsにてコンテナごとのCPU、メモリの状態確認ができる。(仕事で使いたいが追加料金と相談になりそう)

  • CodePipelineの各機能は外部の別機能も使用できる。(SourceでGitHubやBitbucket、BuildでJenkinsなど)

  • コンテナイメージのライフサイクルを考えないと、脆弱性で引っかかる可能性・サイクルが早すぎてデプロイしているイメージを削除してしまう可能性が発生する。

あまり役立たなさそうな点

  • 全体的にAWS初心者向き、数回コンテナ設計したことのある人にとっては自明のことが多そうだと感じた。

  • ハンズオンが内容の半分を占めており、そのかなりの割合がAWSコンソールの画面やシェルの内容なので、構成図や文字説明だけで設定可能な人にとっては不要な説明が多いかもしれない。

読む目的を達成したか

目的:AWSを使用したコンテナ設計について基礎を知る。設計の考え方について学ぶ。
達成できたと思う。AWS・コンテナ初心者としては、基本となる考え方、気を付けるべき点をいくつも吸収できた。設計については、あくまでAWSリソースをどう使うかの観点として、信頼性・パフォーマンス・コストについて記載があったため、そこから学べた。

感想

  • AWSサービス紹介もあったため、本だけである程度内容理解して読み進めることができた。

  • 複数の設計を紹介するというよりも、いくつかの設計方法を提示したうえで、おすすめの方法や場合により向いている方法を1つ示す方式だった。そのため、設計に慣れていない人間としては混乱することなく理解を進めることができた。すでにAWSのコンテナ設計をしたことのある方にとっては、自明のことが多いかもしれない。

  • 自社プロダクトとして作成する場合、SIとしてサービスを生み出す場合、機械学習を使いたい場合など、いくつかのユースケースについて設計方針は注意すべき観点に言及してくれるページがあった。自分の場合はどうだろうと考えられるので安心感がある。

  • カラーは最低限だがわかりやすい配色で、文字ばかりになるページも少なく、随所に脚注もつけてくれている。文体も平易でかなり読みやすくとっつきやすかった。

理解度

(1:よくわからなかった~5:すべて理解したので誰かに説明できる)
3 書いてあることは理解できたが、設計思想を真の意味で理解できたかとはいいがたい。本を読みながらハンズオン・設計はできそうだった。

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