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心臓が落ちる


心臓が落ちる、そんな心地がした。


自分だけの世界に没頭しようとする、その時に。
目の前の嘘を暴こうとする、その時に。

本物の邪魔者って一体誰なのか。


簡単に、手を離す。
もういらないって、手を離す。
「使えないんだもん」って、簡単に。
あまりにさらりと吐き捨てる。



そこを、
音も立てず目にも見えない
そんな速さでさっと差し出て
受け取める、手があった。

この手は "大事" を知っている。

真剣な時ほど見守って、
危ない時ほど口を出すその手。



心臓は、守られた。
一体誰に守ってもらったのだろうか。



1人でいないといけない。
誰に話したって分からない。
自分の話を分かるのは、
本当にわかるのは自分だけ。


それなのに、
諦めれない、認めれない。
そんな風に求める自分に、
証拠を揃えてはっきり言う
「諦めろ」と。


諦めれない、認めれないその手は、
簡単に手を離し、簡単に落としてしまう。
一瞬で、ふとした一瞬で。
そうとも思ってないその瞬間に、
さらりとその手から
この心臓を。

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