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安楽死について

最近、安楽死の幇助をした医師の判決が出ましたね。その新聞記事を見てとても複雑な気持ちになりました。「私が不治の病を患った被害者だったら、医師に感謝しているだろうな。彼女はどうだったんだろう。」と。

私は、安楽死の制度に賛成です。この間障害者について書いたばかりなので少し描きにくいのです。何故なら障害を持っている人やその周りの人には反対する人もいるからです。しかし私が言いたいのは、安楽死を「選べる」ようにするべきだと言うことです。もちろん本人が望めば生きられるようにするのは大前提です。

体は正常なのに、脳が衰えていって暴力を振るったり、暴言を吐いたり、徘徊したりしてしまう。自分が自分で無くなるんです。とても怖いと思います。きっとそれは本人にとっても家族にとっても辛いでしょう。私ならそうなる前に尊厳を保ったまま旅立ちたいです。
脳が正常なのに、体が動かなくなる。これも辛いですよね。言いたいことが表現できない。伝わらない。将来への不安。脳が正常だからこその悩みは本当に尽きないと思います。私ならそうなる前に尊厳を保ったまま旅立ちたいです。

手塚治虫の漫画『ブラックジャック』の中で、安楽死をする医師ドクター・キリコと言う人が出てきます。今まで、命を救うヒーローの医師・ブラックジャックに対抗する悪役だと思っていたのですが、最近ではキリコも真っ当なことを言っているなあと思うことが増えました。実際、キリコも生きたいと思っている人は助かるに越したことはないと言っているんですよ。死にたいと思っている人を安楽死させてあげるのです。それに対してブラックジャックは「殺人だ」という訳なんですが….。手塚治虫は、どちらが正解かを書くことはないので、読者が考えることができるんです。いや、正解はないんですよね、医療倫理って。それが本当に難しいんですけど、「生きていることが正義だ」と言われかねない昭和の時代にこの話題を切り込んだ手塚治虫は本当に天才だと思いました。

唯一の懸念点とすれば、生きたいと思っている人が同調圧力で死を選んでしまう可能性が0では言えないことです。これが解決できれば本当に万能な制度だとは思うのですが、難しいですかね。

しかしそのような懸念点も含めて積極的に議論して行くべき課題だと感じます。

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