MAD MAID WARRIORS/慣れる事

夜中に目が覚めました。確かあのまま寝たはずです。
机にご飯が置いてあって、「起きたら食べてくださいませ ケイリィ」と書かれていました。
私の部屋はケイリィさんの隣なので、夜が明けたらお礼を言いに行きましょう。
頂きます。・・・?
何か音が聞こえたような・・・
隣から聞こえてきますね。なんでしょうか。少し怖いですけど、見に行ってみます。
「ふふ、うふふふ」ケイリィさんの笑い声が聞こえてきました。心臓に悪いですよ。でも、どこかおかしいような。
本当はよくないですけど、こっそり覗き見てみると、短剣を握るケイリィさん。そのまま自分の腕を突き刺して・・・
「なにやってるんですか!?」
「あら、見つかってしまいましたわ」
この人、どうしてそんなことをするのでしょう。
「信じられませんか?気持ちいいですよ」
「だっ、駄目です!」
ケイリィさんは私の頭をなでなでして、「夜も私といたいのではなくて?」
「いえ、ご飯のお礼を言いに来ました。わざわざありがとうございます。変な音がしたのでこっそり見に行ったらびっくりしちゃいましたよ」
「いいですわ」
「それで、なんでそんな事を・・・」
「私は自分が嫌いですわ。その戒めに自傷しますのよ。・・・まだ貴女は知らなくてもいいですわ」
もやもやした気分で部屋に戻りました。不思議な趣味はいいですがほどほどにしてくださいね、と言いました。
「失礼しますわ」
「!?」
「ご心配をおかけして申し訳ございませんでしたわ。無理に受け入れてくださる必要はありませんことよ」
「あの、私の部屋ですけど」
なぜか布団に手招きしてくるケイリィさん。なにをするんでしょうか。
「一緒に寝ますわ」
「・・・・??」
ケイリィさんが今、私と一緒に寝ると言いました。「いいんですか?でも、なんで」
「親睦も深めたく。よろしいでしょうか?」
「は、はい」
せっかくなので、隣に寝てみます。
包み込まれる暖かさと、優しい匂いに包まれます。
ゆっくり私の髪を梳いてくれます。心地良くてすぐにまた眠くなりました。

よくわからないまま、次の日の朝を迎えました。
ケイリィさんは、隣にいません。先に起きたのでしょう。
置いてあるご飯を早めに食べて、顔を洗いに行きます。
すぐに着替えて厨房に行かないと。
「君が新しい娘?可愛いね」
「はい?」
厨房に向かう廊下で後ろから明るい声が聞こえてきました。
「あ、遅れたね。私はジェスミア。指南役を総括に頼まれていたし、気になってたからちょうどいいね。よろしくね。お互い頑張ろう!」
「はい。よろしくお願いします」
また違う人が来てくれたようなので、この人にも力を借りていきます。

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