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僕たちの未来 〜独白〜

【注:この物語は実在の選手をモチーフに書かせていただいた完全な創作です。笑って許してw。2023年11月に加筆しました。】

これは僕、希(のぞみ)と翔(かける)の物語。
ふたりが信じた未来の話。

僕と翔は生まれた頃から兄弟のようだった。
ただ、家が隣だったから、同じ年の子供を持った母どうしはまるで姉妹のように仲が良くて、僕たちも当たり前のように毎日を一緒に過ごしていた。
ふたりの性格は真反対と

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あの頃、僕らは同じ未来を

これから、僕らは それぞれの時間の中で
ふたり違う未来を探して行く
新しい景色に それぞれが選んだ明日が
映画のスクリーンのように映っている

まさか、こんな風にこの景色を見ることになるとは思っていなかった。
海風に巻き上げられる乾いた砂ぼこりにまみれたグランド。
たくさんの思い出が詰まった場所。
俺の母校
その景色を横目に見ながら、俺は一番、思いを残した場所に向かっていた。

“Lonely P

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スーパースターになったら

スーパースターになったら 迎えに行くよ きっと
僕を待ってなんていなくたって 迷惑だと言われても
スーパースターになって 男らしくなった新しい僕で迎えに行くから

迷ったけれど、ここにやってきた。
華やかな場所で、有名になった秀くんに何を言ったらいいか分からなかったから。
私が一番、落ち着ける場所で静かにその時間を過ごそうと思っていた。
ドアを開けようとすると、チームメートの真奈がちょうど、出てこ

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Resistance

何かを見過ごしたまま 生きられない君のグラデーション
どんなに離れていても ひとりきりで くじけないで I am beside you
Take your time 自由は時に
It’s a long distance 孤独な旅さ
One day comes 待ち続けるよ
Love is strong 君が好きだから

駐輪場に置いてあったバイクを見たとき、薫先輩が来てると思って、部室に向かって、

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Lonely Butterfy

愛がすべてを変えてくれたら 迷わずにいれたのに

結局、一睡も出来ないまま朝を迎えた。
カーテンの隙間から差し込む朝日が眩しくて目を閉じた。

洋之を起こさないように、静かにベットから起き上がる。
穏やかな寝顔に決心が揺らぎそうになる。
ちょっとくせ毛のさらさらな髪に手を伸ばす。

「ごめんね、ありがとう」とそれしか言葉は出てこなかった。

旅立つことを伝えた日のことを思い出す。

「京子、いま、

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ホイッスル ~君と過ごした日々~

走る君の姿は まぶしくて 切なくて 本当に好きだった
いま見てる景色が 遠くなっても
君と過ごした日々を 忘れない

乾いた土の匂いが記憶を呼び起こさせる。

「最後のホイッスル」が響き渡った瞬間は今でも鮮明に脳裏に焼きついている。
その先の世界を見たくて、すべてを捧げてそれを見守った。
努力だけではたどり着けない世界がそこにはあった。
それでも、夢を追いかけてきたみんなと見たかった景色。

決ま

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彼女の彼

8月の太陽が眩しすぎて泣きたくなる
明日から大切なあなたはもう彼女の彼

カフェでのバイトを終えて海岸沿いの道を歩いていた。
もう時計の針は6時を指していたけれど、まだ、空気は熱気を帯びていた。
それでも海風は気持ちいい。

「千佳!」と通りの向こうから声をかけて来たのは幼なじみの雄介。
海にばかりいるからどこもかしこも真っ黒。
だけど海やボードのことを話している時の雄介の目はキラキラしてる。

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星空の誘惑

まだ彼のこと 忘れきれず窓を見る
私のほほ包んで 唇をふさいで

雨がぽつぽつと降って来た。
傘、持ってたっけ、とぼんやりと考えた。
いやそんなことはどうでもいい。
こんなところでコーヒーをぼんやり飲んでいた自分を恨む。

見たくなかったよ、卓巳。
そんな可愛い女の子と、楽しそうに笑いながら歩いているところは。
別れの予感は感じてたけれど、ちゃんととどめを刺されたかった。
こんな形で

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いちばん近い他人

いちばん近い他人のままで ぼくが帰れば
いちばん近い他人のままで 傷つく人はいないけど

いつもみたいな飲み会だったはずだった。
いつもよりハイペースだった恵理はあっという間に潰れていった。

「恵理、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないもん」

酔っ払った恵理はまっすぐ歩くことすら困難で、俺は仕方なく家まで送ることにした。
恵理とは大学時代からずっと居心地のいい関係だった。
お互いの恋の悩みや、仕事の

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Turn it into love 〜愛が止まらない〜

街の輪郭が ぶどう色に変わる前に あなたに本気を移したい

「なぜ、誘ったの?」という言葉を飲み込んだ。
夕方のハイウェイを海に向かって走るキミの横顔をもう少し見ていたかったから。
孝太郎のiPodから聞こえてくる曲は切ない曲ばかりだ。
目を閉じたら無条件で泣けてきそうなそんな曲。

「晶子、もうだめかもしれない」
「え?」
「アイツ、俺以外にだれかいるみたいなんだ」
「そうなの?」

ズルい、と

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I love you,SAYONARA

もう俺のためにHey 笑うなよBaby 馬鹿だね女って
嫌いというしかなかったよBaby 馬鹿だね男って 
I love you だけど I love you I love you , SAYONARA

何か重いものから解放されるように、高く青空へ飛び立つ飛行機が見えるカフェで一息をつく。
ここから旅立ったアイツを思い出す。

最後まで本当の事を言わなかったアイツ。
夢のために迷わず私を捨て

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