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【散文】もものモンブラン

季節のモンブラン(桃)とかいってショーケースに並んでいるケーキを見ていつも思う。
桃だなって。
桃をイメージさせる優しいピンク色だなって。
ちなみにいわゆる「桃色」は桃の花の色なので結構はっきりしたピンク色だということを理解できずに、小学生の頃の私は図工の時間に好きな紙の色を選ぶのを失敗したことがある。
で、話戻るけど、
モンブランってモン・ブランで、山・白いなんよね。
季節のモンブラン(桃)白くないじゃん。
季節のモンブラン(苺)も白くなかったわ。
ピンクじゃん。可愛いピンクじゃん。モン・ピンクじゃん。
安納芋のモンブランは黄色だったわ。
抹茶モンブランとか緑だし。
定番の栗のモンブランも最近じゃ「渋皮栗の」とかいって茶色っぽいのが多いよね。全然白い山じゃない。
あのうにゅうにゅが乗っかったものをモンブランというようになったんでしょ、どうせ。和製洋菓子あるあるで。
と思っていたら、発祥はイタリアの家庭菓子らしい。
栗を潰したペーストに生クリームをどわっと載せたお菓子。
それがフランスで1900年台初頭に、栗の形が欠けちゃったいわゆる割れマロングラッセの上にクリームをメレンゲ状に絞った形になったとか。
名づけの由来のお山は、イタリアから見たらシュッと円錐形、栗がごつごつ丸見えでもそれらしく、フランスから見るともう少し丸ぁるいお山なんだとか。
日本からは見えないものね、モンブラン。
日本人が心に描くきれいなお山の姿が、和製洋菓子としてピンクや黄色や緑色のモンブランになったということね。紅葉した山を楽しむといえば日本ならではだもの。

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