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インターネットの異端児になりたい

    私は、現実の友人と行うSNS等のインターネット交流が嫌いだ。
 特にフェイスブック等は、近況を報告する日記形式のようなものである。まるで他人の日記を無理矢理読まさせられている様な気がするのだ。「子どもが卒業しました」「ここのラーメンむっちゃ美味いねん」「今旅行中です」等、こちらとしては、どうでも良い事だらけのほとんど無駄な情報だらけだ。
 友人の付き合い上、仕方なく始めたものの正直後悔している。SNSを見たら最後、名何か反応をしなければならないという暗黙のルールがあるので応えてはいるが、正直、毎日、写真付きの年賀状をやり取りしている様で妙に面倒くさいのだ。
 なんとかこのやり取りに一石を投じられないものか。そこである悪戯を思いついた。
 それは、私がアイドルの握手会やライブに行って楽しかったという嘘の投稿をすること。みんな他人にとってはどうでも良い投稿をするんだから、非難覚悟の悪戯の投稿をしたらどうなるだろうか。悪戯心に火が付いた。
 どうせならと、本当にアイドルの握手会に行って証拠写真を撮った。そしてライブにも行って一通りの経験をして嘘とバレないように勉強してリアルな投稿に仕上がった。実際に数回、画像と感想とともに投稿してみた。
「ええ歳したおっさんが何しとんねん」「何が面白いねん?」「よっぽど暇なんか?」等の悪辣な反応があった後、無反応になった。そして実際、数人の友人を失ってしまった。どうやら、私はアイドルの握手会に行く所謂オタクという部類に分類され、現実の世界からも拒絶されてしまったのだ。
仕事後の居酒屋では、家族の話なんか一切せず、エロ話と仕事の説教しかしない上司が、週末になると毎週家族でのお出かけ日記を掲載して、子育てオヤジ日記を公開する。そして半強制的にコメントや反応を要求してくる
インターネットのSNSは、自己顕示欲の塊だと感じた。誰もが社会的良識の範囲内であれば、なんでも情報を垂れ流すことができる。そして、他人が異質の趣味をひけらかすと異端児扱いし無視し、そして居なかったことにされる。
   ある意味、暗黙のルールはできているようだが、個人がネットに投稿している内容は、たいてい単なる日記やマスコミ情報のコピペに過ぎない。そして、特異な趣味や意見を持つ異端児には居づらい世界だ。
   さあ、今からSNSで小説を投稿していこう。小説を書くことが特異な趣味なのかそうでないのか、インターネットのSNSが判断してくれるはずだ。
しかし、異端児だと拒絶されても私は書き続けるだろう。インターネットだけが創作を発表する場ではない。一生懸命、勉強しながら書き続ければ誰かが読んでくれる。私はそう信じたい。

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