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今、ありがとうを言いたい人

苦楽を共にした仲間が旅立ってしまった。

葬儀から二日が経った今も、正直実感が湧かない。

彼女にもう会えないという現実と、何とも言えない虚無感のようなものが、日を追うごとに心を侵食していく。

彼女は仙台市が主催する社会起業家育成プログラムで一緒に頑張った仲間だ。このプログラムの12人の採択者は、この社会を少しでもよいものにしていきたいという想いで、厳しいプログラムに本気で取り組んできた。

プログラムは厳しかったけど、楽しくもあった。
起業家として、人間として、成長しているという確かな手応えがあった。

それも全て、そこで一緒に頑張った仲間のお陰だ。
がんサバイバーの当事者として、がんサバイバー専門の撮影サービスを立ち上げた彼女は、自分が辛い状況にあるにも関わらず、どんな時でも明るく、笑顔を絶やさなかった。

彼女の笑顔と懸命に生きる姿にどんなに励まされたか分からない。

いや、単純に彼女と一緒に時間を過ごすのがとても楽しかった。
僕のくだらないジョークや、皆のおもちゃとしていじられる姿に、彼女はいつも大爆笑してくれた。

そして何より本当に優しい人だった。
葬儀の後、お父さんから彼女が事業を立ち上げた背景についてお話を伺ったのだけれども、彼女の心には、常に「自分以外の誰かを励ましたい」という想いがあった。

その想いに多くの人が共感し、勇気をもらった。

彼女が立ち上げた「かるぺでぃえむフォト」は、遺志を継いだ仲間が続けていくとのことだ。無論、自分も同じ釜の飯を食った仲間として、何らかの形で応援・関与していきたいと思っている。

彼女が教えてくれたこと、残してくれたものが何なのか。
それをしっかり受け止めて、未来に伝えていきたい。それが残された者の責任だと思う。

弱い立場・苦しい立場に置かれている人に光が当たるように。
僕はそのことを願うし、そのために諦めずに、しつこく行動していく。

さようならは言わない。
生きてくれて、一緒に時間を過ごしてくれてありがとう。

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