初運転の助手席で思ったこと
息子が自動車の運転免許を取得した。
初めてその助手席に座り、二人で短時間のドライブをしたが、教習所の卒検から約3カ月ぶりの運転で、最初は本人も相当緊張していたようだ。
私はと言うと、
「あの赤ちゃんだった人が運転してるわ…」
と、驚きとともに神秘的なものを見るような気分でもあった。
自分でも思いがけない反応だった。
息子は産まれてからしばらくは、オギャーというより、ふぇぇ…みたいな、か細い声で泣く静かな赤ちゃんだった。
誕生した時の顔も姿もハッキリと覚えている。
小さな小さな赤ちゃんだった。確かにそうだった。
それが、
ハンドル握って運転してるし。
人ってこんなに成長するんだ。と改めて驚いた。
わぁ、うちの子、こんなに大きくなって…
ではなくて、もっとこう、生命の不思議、みたいな感じだ。
生命の種の力を感じた。そんな気分だった。
植物の成長で例えると、人間のすることがあるとしたら、種を撒き、水をやり、肥料をまき、土を整え、雑草を抜く。
育つのは植物自身の持つ力、生命力で、人間の好きなようにビヨーンと伸ばせるわけではない。
成長の過程で出来るのは、水やりと環境の整備だけだ。
でも、世話をしなければ枯れてしまうかもしれないから、無事に育つよう環境を整えることは大事な役目でもある。
それと同じように、私も子供には食事を用意したり、育つ〝環境〟を整備しそれを守ることしかできなかった。
実際に育つのは子供自身に宿っている生命の力でしかない。
その生命の種にプログラミングされている個性のままに変化していく。
車を運転している息子を見て、これは本当に凄いことだ。なんて改めて思ったのだ。
子供は親の作品ではない。
個性を持つ生命だ。
息子の持つ生命の個性は、これからも変化し続けるだろうし、それは植物ならばどう枝を伸ばし、どんな花が咲いていくのか。
この先も同じだよ。
外野は何も出来ないから。
と私の中で声がして、
「わかってるよ」と答えた。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も幸せな一日でありますように。
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