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名刺をめぐる記憶あるいは空想/文学フリマ東京38

【新刊のおしらせ】

アンソロジー 名刺をめぐる記憶あるいは空想


オビ付き書影

[仕様]
カバー・オビ有り
B6サイズ(128mm×182mm)
口絵6・本文206、全212頁
小説・短歌・漫画・写真の全14編
作中に登場する名刺付き
イベント価格1500円

[書き手]
伊藤なむあひ/犬山昇/大木芙沙子/尾八原ジュージ/紅坂紫/坂崎かおる/鮭とば子/瀬戸千歳/鳥山まこと/橋本ライドン/蜂本みさ/安河内瞳/吉田棒一/ヨノハル

[Webカタログ]
つ-18 秘密結社きつね福

[イベント情報]
開 催:2024年5月19日(日)
時 間:12:00~17:00(最終入場16:55)
入場料:1000円
会 場:東京流通センター 第一展示場・第二展示場
行き方:東京モノレール「流通センター」駅(MO-04)から徒歩1分
ブース:つ-18/秘密結社きつね福(第二展示場2階Fホール)
今回から1000円の入場チケットが必要になりました。当日も買えるようですが混雑が予想されますので、あらかじめe+でデジタルチケットを買っていただけると比較的スムーズかと思います。はじめて出店した2017年11月第二十五回文学フリマ東京だと出店者+来場者で3500人だったのが前回の文学フリマ東京37では出店者+来場者で13000人、本当に大きなイベントになった。

[雑記]
昨年は『夢でしかいけない街』『非実在神様』の2タイトル作ったのでアンソロジーはしばらくいいかな…と2月の途中まで考えていて、なにがしか人を募って作るにしても秋開催の文学フリマ東京39だろうと思っていましたが、友人の鮭とば子と話しているうちに(作る……?)みたいな気概が高まってきて、まあ7月には初開催の文学フリマ香川があって出店するつもりだし(抽選漏れのためあえなく目論見は外れたわけですが)なんかおもしろそうなテーマなりギミックがあれば!と話していた結果、今回の「架空の名刺」に決まったのでした。『非実在神様』のときの御札シールがたいへん好評で、はじめからそういったノベルティをつける方向だったので「水彩っぽい絵ハガキ+裏に手書きのメッセージ」がいいなと思ってましたが、写真を加工してみてもピンとこないし、どなたかに絵を依頼するにしてもその時点で2月の終わりの方だったので自力で作れそうな名刺に決まりました。架空の人物の設定をあらかじめ詳細に決めておき、その人物が必ず出てくる「マルチバース・アンソロジー」の名残です。書き手が語り、読み手が想像することによって「百崎 尋」の輪郭を描いていこう。

動き出しがたいへんたいへん遅かったにもかかわらず、テーマをおもしろがっていただき、総勢14人のアンソロジーとなりました。書いていただきたいなと思っていた方みんな書いていただけて嬉しいです。毎度のことながらこんな無茶なスケジュールをご快諾くださりありがとうございました……。

結婚式に虎が必要など言いだして動物園を巡礼する彼と私のお話を書きました。「虎の埋葬」というタイトルです。同じく文学フリマ東京38で初売りされるオカワダアキナさん主催の『庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー』のなかでホワイトタイガーへ会いにく掌編を書いたので、違うアプローチでやってみたくてトライしました。「虎の埋葬」は8000字くらい、ミイラ取りがミイラになるというか、はじめから大きなトンチキの、その細部を丁寧に書いてゆくにつれて境目がなくなってゆくというか、そういうのが伝わればいいなと思ってます。前のアンソロジー2作に比べるとかなり苦しんで書き、それらが節々に残っているのであんまり読み直せてないんですが満足はしてます。他の方がお目当てでもせっかくなので私の作品も読んでもらえたら嬉しいです。魂のきょうだいでもある「五人の男アンソロ」もよろしくね。

「カバーの紙はこれがいい!」の希望があり『非実在神様』と同じ印刷会社にしました。表面に加工をしていないのでカスレが起こると怖いなと思いんがらも、風合いがどうしてもほしかったのであとは祈りです。写真などのベタ面があると白抜き(ピンホール)が起きやすい紙で、むしろこっちが意図していない、再現性のない白抜きがあってもおもしろいかもと思ってます。白抜けはふつうならふつうにトラブルなので印刷会社は避けようとしており(普段の業務で白抜けが起こってたら「ねえちょっと〜気をつけてよ!」など言います)、それなのに私はなんて礼儀の欠けたことを、など思わないこともない。オビはいつもと違う印刷所にお願いして、気づかれないだろうけど贅沢な紙を使いました。はじめてのところなのでスジ折りがどうなってるかまったくの不明。加えて、ここのところ仕事が本当に忙しいのであまりチェックに時間がとれておらず、致命的なミスをしてるんじゃないかとドキドキしてます。頼むぜんぶうまいこといっててくれ~! 先んじて付属の名刺は手元に届いていまして、ちょっと全体的な級数が小さかったかなとは思うもののイイ出来だと思います。

付録の名刺・オモテ面

東京流通センターで行われる文学フリマ東京38[つ-18/秘密結社きつね福]ブースにて初頒布、そのあとオンライン通販やお世話になっている書店さんでも取り扱っていただく予定です。

当日掲示する予定のポスターやらお品書きはこれから作ります。『夢でしかいけない街』『非実在神様』はどちらも欠品だったので新しく刷り直し、一部のデザインを変えています。わかりやすいところだと『夢街』は帯の地色が水色、『非実在神様』はオビじたいを黒色の紙して銀色のインクにしてます。当日はどうぞよろしくお願いします!!

左:夢でしかいけない街 3刷版 右:非実在神様 増刷版

[追記]
ずっとやりたい!といってた盆のタイミングで祖母の家に帰省するたび部屋が増えている連作のアンソロジー「ウィンチェスター・グランマ・ハウス」ですが、本当にまったく進んでません。工数が多いのと細かいレギュレーションを決めるのがありえんくらい面倒だから……これまでアンソロを作ってきて楽しいと感じるのは書き手の解釈が自分のぜんぜん予想していないところへ飛躍したときなので、「ウィンチェスター・グランマ・ハウス」はかなり自由度が低い設定になっちゃうよな〜という感じです。縛りが多いゆえの楽しみもあるかもしれませんがあまりピンときてない。あとそろそろ自分の作品集を作りたいので秋はアンソロじゃない予定なんですが(いっつも同じこと言ってるなあ)、本当は名刺の前に「これだ!」というテーマ・設定があり、私のやる気が持続していればそれも来年の春くらいにやるかもしれません。もう来年の春の話だなんて鬼が笑いすぎるぜ。

気合い入れて作って力尽きたフロアマップ

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