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人の告白を見る

少し前にテレビで、今の高校生はわざわざみんなの前で告白している。

みたいなのを見た気がするのだけれど、普通に考えると他人の告白を見るなんてことは滅多にない。

それを映画やドラマなら見ることができる。

だけどそれはものすごく考えられた美しく構築されたものであることが多いので、どこか絵画を見ているような感覚でいることが多いけれど、時々リアルで目の離せない、射られたように動けなくなって入り込んでしまうようなことがある。

韓国ドラマ「応答せよ1997」のカラオケボックスでの告白シーンがまさにそうで、高校卒業前、幼馴染の女の子にソ・イングクが思いを伝える。

少しネタバレになってしまうと、この時ソイングクはふられてしまうのだけれど、「友達でしょ」というようなことを言われてから。ここからがなんともリアルで突き刺さり、ぐわー、切ない〜と乱暴にドアを閉めて彼が出て行った後、なんとも言えない気持ちで見ているこっちがそこに取り残されてしまうのだ。

グレタ・ガーウィグ「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のジョーとローリーの告白→別れシーンもすごかった。

「レディバード」でも共演していた二人が、全く違う関係性、キャラクターで見せてくれる感情のぶつかり。

ティモシー・シャラメってなんであんなに美しいのにどこか醜悪さを帯びた表情を見せることができるんだろう・・・

彼が募った想いを吐き出すシーンになると、本当に苦しくなってきて、もういいんじゃない、ジョー、これだけ言ってるんだから、と思わずにはいられない。

「マイ・ビューティフル・デイズ」でも「君の名前で僕を呼んで」でもそうだった。

普通見ることはないけれど、自分の経験や感情、記憶と重ねてしまう告白シーン。微笑ましい、嬉しい気分になるものよりも、時空を超えて痛みが突き刺さってくるようなものの方が、記憶に残っているのはなぜだろう。


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