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#21 今年も「おこしもの」を作った。

 1ヶ月以上の会期があった「陶のまち 瀬戸のお雛めぐり」のイベントもいよいよ今週末までとなります。

 瀬戸のひな祭りというと「おこしもの」をお供えする習慣があります。これは瀬戸周辺になるのでしょうか。うちの母は同じ愛知県内でも三河の出身ですが、まったく知らなかったようです。
 おこしものという名前は型を使って形を作る作業を作業を「型起こし」と呼ぶので、それから来ているかと思います。
 具体的な作り方はくわしく当店のホームページに載せてありますので、興味のある方はぜひご覧ください。2月から3月初めには毎年アクセス数が伸びます。

 おこしものは米粉を練って作るこの地方独特のひな祭りのお供物。
 様々な木型(お雛様にちなんだ縁起物が題材になることが多い)に練った米粉を押し込んで形を作り、色粉で色付けして蒸しあげて出来上がり。もちろんお供えしているうちに固くなりますので、食べる時には餅のように焼いて醤油などつけます

 各家ごとに作り方は違う部分はあります。お裾分けでいただいたりすると、我が家との違いを見つけたりするのも楽しかったりです(そうそう、わが家の作り方も家内の実家の作り方も多少ちがう)。

わが家の古い型
扇にたけのこ、ウグイス。大切に使っています。

 今日、わが家でもおこしものつくりました。米粉を練るには熱湯を使いますので火傷に注意です(今年も熱かった!)。この練るという作業は陶器を作る際に粘土を練る作業にも通じるものがあり、型起こしの作業とともに日々陶器作りをしている瀬戸の人たちには楽しい作業なのかもしれませんね。

型からおこした状態
色粉で色をつける。例年派手になり過ぎるので今年は控え目に。
このあと蒸し上げます。

 瀬戸の古い家には代々残されている木型がいくつもあったりします。今も木型はが売られているのを見かけますが結構高価で驚きます。毎年、ホームページを見た方からどこで木型が売っているのかという問い合わせを当店にいただくことがありますが(毎年毎年です)、もちろん当店では取り扱っていませんので電話をいただいても困るというのが本音です。
 おこしものの木型は木の彫刻技術が必要なことから仏具を扱っているお店や、またお米を売っているようなところで並んでいるのを見ます。必要な方は瀬戸市内のそういうお店にお尋ねいただくといいかと思います……と言っても掛かってくるのかな、電話……。


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