せとら

映画・本・公演の感想をメインにTwitterで書ききれないことを書きます

せとら

映画・本・公演の感想をメインにTwitterで書ききれないことを書きます

マガジン

  • #感想文

    観たり聞いたり読んだりしたものの感想文まとめ

最近の記事

『愛を読むひと』―罪の基準とは―

本作2回目の視聴。初回は約6年前だった。 大まかなあらすじは覚えていたが、改めて観ると新たな発見に気が付く。 ネタバレも含まれるかもしれないが、自身の感想文として記録する。 主な主題はナチスのホロコーストについて、また戦後ドイツでの罪の意識と基準の乖離にあると考察する。 映画内にて、特別ゼミの講師をしている大学教授が話している下記セリフが印象に残った。 アウシュビッツ収容所の看守はすべて悪なのか、 ユダヤ人大量虐殺に関わっていた人は悪なのか、 大量虐殺を知りながら黙認して

    • バイオ8DLCが思った以上に良すぎた話

      正直言ってタイトルですべてが語られているのだが、さらに細かい話を履歴として残しておく。 ※ネタバレ含んでいたらごめんなさい。 バイオ8はバイオ7からつながる家族の物語。主人公はいつも巻き込まれ役のイーサン・ウィンターズ。 7のエヴリンも、8のミランダも、自分の家族のために他者を犠牲にする中、 ウィンターズ家はいつも家族のために自らを犠牲にしている姿が印象的だった。 バイオハザード自体サバイバルホラーとして売っていたため、今回のようなしっとりした泣かせる場面は少なかったけれ

      • 『ヒトラー ~最期の12日間~』

        第二次世界大戦を題材にした作品を見るのはこれが初めてではないが、 ドイツ・ナチスを題材とした映画はこれで2本目だ。 どのようにしてナチスが敗北したのか、ヒトラーと側近たちがどのようにして降伏したのか。 自国である日本の歴史は知っていても、他国であるドイツがどのような歴史を歩んできたのか。 ヒトラーの秘書であった主人公と町の少年が辿る不幸は、”戦争”というものが何を生み出すのか 戦時下に生まれなかった私たちにわかりやすく伝えてくれる作品だと思った。 誰もが自国と思想を信じ、敗

        • 輪郭の内側と外側

          久しぶりに世界に対してどうにも太刀打ちできなくなって、読書をした。 一年以上眠らせていた『八本脚の蝶』を読んだ。 もしかしたらここに私の生死に関わる決断が書かれているかもしれないと思ったから。 二階堂奥歯さん(以降同小説の感想では奥歯さんと呼ぶ)はとても面白い人だ。 まだ100ページしか読んでいないからそう思うのかもしれないが、耽美派気取りの私にとって、とても共感できる。 この本を読んで学生時代エロ・グロ・ナンセンスを主食としていた頃を思い出した。 その中の一説が気に入った

        『愛を読むひと』―罪の基準とは―

        マガジン

        • #感想文
          4本