魂とはいつも
どこかへ出て行きたがる
そして出た先で園を作り
その外へとまた出たがる
繰り返し繰り返しそうやって
浸かっては上がりを重ねて
創っては壊しを重ねて
拾っては捨てを重ねて
入っては出てを重ねて

魂とはいつも
ひとところに留まりたがらない
だのに人はいつもそれを
どこかへ縛り付けようとしている
己を誰かに
誰かを己に
心を思想に
身体を現世に

どこにも依らない魂は
いつも宙を舞っている
空を掴み太陽を越えて
天を巡りまた体へ戻ってくる
それを幾度となく繰り返し
やはりいつも何かの拍子に
どこかへ出て行こうとしている

留まろうと踏ん張るな
扉を開くために
腕を張り足を張り
空を駆けてゆけ魂よ
何一つ手にすることは出来ない
抱える腕は翼になった
絆を全て断ち切って
空ならば踏みつくすということはない

波間で君を待っている
名前ならば憶えてゆけるだろう

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