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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー… もっと読む
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい… もっと詳しく
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#舞台評

法律との向き合い方を強烈に描いたこの作品は、あらためて描かれた時代も書かれた時代…

 井上ひさしがそれ以前から強烈な関心をもっていたに違いない東京裁判。ミレニアムの2000…

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福地桃子の演技や存在感は清新さにあふれ、千尋の魅力を再認識させてくれる…★劇評★…

 少女は夢見る間に成長する―。「忘却」という装置によって、夢も幻も架空かもしれない世界も…

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源孝志が縦横に張り巡らせた戯曲と蓬莱竜太の大胆な演出によって時を超えて結びついた…

 新聞記者時代に3年以上の長きにわたって毎月、蜷川幸雄さんにインタビューをさせてもらって…

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英語と鹿児島弁が飛び交う中で字幕さえも重要な役割を果たす斬新な舞台。新たな傑作の…

 活動初期には劇団を主宰してきたこともあって「12人の優しい日本人」など群像劇を得意として…

250〜
割引あり

北村想の哲学的な世界観が草彅剛の包容力のある役者としての魅力とも相まっていっそう…

 北村想の書く戯曲は宇宙だ。さまざまな理(ことわり)で精緻に組み合わされた世界のようでい…

250〜
割引あり

芝居や演技が愛すべきものであることを示すとともに、演劇がさまざまな思いの突破口、…

 いろんな災厄や災害があった時、もっとも早く再開される、あるいはその状況を受けて新たな作…

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記憶の中で時空を超えるタイムリープ。青春の再生が紡ぐ家族の再生。鴻上尚史の最新名作戯曲が早くも再演…★劇評★【舞台=アカシアの雨が降る時(2023)】

 1960年代から1970年代とはどういう時代か。誰でも自分が青春時代を過ごした時代のことを最もよく覚えているものだが、この1960年代あるいはその周辺に青春を過ごした人にとっては他の時代よりもより強く記憶の中に刻まれている時代なのだ。時代の変革を求めた大学生ら若者たちが世界中で決起。日本では日米安保条約とその改定をめぐって学生運動が勃興した時代だ。若者たちは青春の血潮を燃やし、対米追従、富裕層優遇を強めていた岸首相に対する反発を強めていた時期だった。1970年代以降は徐々に

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演出の上村聡史が生き物のように構築する舞台の上で展開する家族の慟哭。眞島秀和や倉…

 国と国との戦いである戦争がなぜ広範な人々に残酷な記憶を残してしまうのか。それはそれぞれ…

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「セカイ系」の世界観が、研ぎ澄まされた演劇空間の中に炸裂。ラルビの飛び抜けた想像…

 21世紀初頭に発生した彗星の一部崩壊で落下した隕石による巨大災害とされた「セカンドイン…

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ないがしろにされる感性や文化、庶民がユーモアや希望を忘れずに戦争という時代に立ち…

 太平洋戦争のころの日本の庶民の暮らしがどれほど悲惨で大変だったか、焼夷弾がどれほど恐ろ…

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文明論にまで踏み込んだ壮大な物語構造を土台に斬新な仕掛けに満ちた一大エンターテイ…

 私はエンタメ批評家やインタビュアー、ライター、ナビゲーターとして活動するかたわら、「物…

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黒木華の情感のこもった演技と中村倫也の誠実な表現によって忘れがたく胸を打つ作品に…

 私は頭の中に文章が浮かんできたときにはそれを書きとめておいて、いつかそれが小説かなんか…

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シリーズ化検討も可能なクオリティーの提示に成功、高野洸の高い身体能力と牧島輝の高…

 日本でも朝廷内部や豪族・貴族同士の争いから徐々に武士同士の権力争いに発展し、「群雄割拠…

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高畑充希の魂をふるわせる演技と歌声。クリエイターらとの総合力が代表作を誕生させた…★劇評★【舞台=宝飾時計(2023)】

 俳優には「出会うべくして出会う」作品がある。たとえ演じるキャラクターが自分に似ていても似ていなくても、それまでのイメージをぶち壊すような役柄でなくても、その俳優にとっては、それ以前とそれ以後に分けられるような作品に出会う時がある。高畑充希にとって、舞台「宝飾時計」がそんな作品であるのは、憧れの作家である演出家・劇作家の根本宗子のオリジナルの新作だからであり、子役時代からもがき続けてきた女優が30歳にたどり着いた時に過去と現在と未来がめぐりあったような不思議な空間の中でもう一

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