阪 清和 (Kiyokazu Saka)

大阪市生まれ。関西学院大学卒業後、共同通信社で31年間記者活動。2013年秋、円満退職…

阪 清和 (Kiyokazu Saka)

大阪市生まれ。関西学院大学卒業後、共同通信社で31年間記者活動。2013年秋、円満退職してエンタメ批評家、インタビュアー、ライター、ジャーナリスト、MCとして独立。映画、演劇、音楽、ドラマ、漫画、現代アート、ネット文化、旅、食と幅広くカバー。活動拠点は東京・代官山。

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  • <エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

    阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニーズのストレートプレイはこのマガジンには収容いたしません。

  • <エンタメ批評家★阪 清和>ミュージカル劇評数珠つなぎ

    阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。

最近の記事

セミドキュメンタリーのような作品。それぞれの人物が陥ってしまった隘路の中で、自分自身と向き合うことで突破口を見いだしていく様はいたたまれないほど美しい…★劇評★【舞台=ハザカイキ(2024)】

 不寛容でサディスティックな今という時代をどうしようもないほど容赦なく露骨に描いているのに、ひりひりとした感触のその向こう側にある何ものをも超越した境地が垣間見える空恐ろしい作品だ。大昔から何でもありの世界だった芸能界、生き馬の目を抜くリアルな戦場にいま新たな主役としてワガモノ顔で登場してきたのが匿名という不気味な仮面をかぶったネット民たち。推しにエールを送る純粋なファンたちでも、したり顔で才能や人柄を揶揄する評論家気取りのマニアでもない。ある種無責任さと残酷さが武器の彼らに

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    • 【Report】 「いつも通りに『SHOCK』の世界を生きられ、打ち上げ花火のようにたくさん演じられるのは嬉しい」と堂本光一、ラストイヤー「実感なし」も「不思議な感覚」(2024)

       2000年から続いてきた日本を代表する一大エンターテインメント、ミュージカル「Endless SHOCK」シリーズを今年で終了させることを今年1月に発表した主演の堂本光一。4月11日から東京・丸の内の帝国劇場での東京公演がスタートするのを前に、ゲネプロ(最終通し舞台稽古)と取材会を行い、「お客さんもでしょうけど、まだまだラストイヤーという実感はありません。でもみんなとの時間を大事に、舞台から観るこの景色やひとつひとつのシーンをかみしめながら、いつも通りに『Endless S

      • 福地桃子の演技や存在感は清新さにあふれ、千尋の魅力を再認識させてくれる…★劇評★【舞台=千と千尋の神隠しspirited_away(福地桃子・増子敦貴・山野光・妃海風・田口トモロヲ・春風ひとみ・堀部圭亮・吉村直・おばたのお兄さん・奥山ばらば・坂口杏奈出演回)(2024)】

         少女は夢見る間に成長する―。「忘却」という装置によって、夢も幻も架空かもしれない世界も想像に過ぎない世界も、そして現実も。現在・過去・未来はすべての平行世界として存在するのだとすれば、どの世界で体験したことであっても、それが少女の成長につながる核になることは、絶対的な確率で、ある。神々の国へ迷い込んだ無気力少女が、一人の独立した存在として初めて「世界」と向き合った永遠の物語を初めて舞台化した「千と千尋の神隠し」が2022年の世界初演、2023年の名古屋・御園座公演に続いて、

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        • 【反響速報=「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」劇評がnoteで「先月もっとも多く読まれた記事のひとつ」に選ばれました、note参加後初の2カ月連続(2024)】

           わたくし阪清和が運営しているエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」で発表している劇評や映画評、ドラマ評の完全版を有料(リポートやニュース記事は無料です)公開する場所として活用しているクリエイターの作品発表型SNS「note」(会員数500万人、アクティブユーザー=閲覧者=6300万人)で2024年3月13日と15日に投稿・掲載した話題のミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」の劇評を公開した2通りの組み合わせのうち、松下優也がジョジョを東山義久

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        • <エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション
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        • <エンタメ批評家★阪 清和>ミュージカル劇評数珠つなぎ
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          【活動報告=ついにミュージカル化された「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」について書きました、「Creators Eye」連載第63回(2024)】

           クリエイティブワークに特化した人材&仕事紹介サービス会社「フェローズ」が運営する総合情報サイト「クリエイターズステーション」の「Creators Eye」で私が受け持っている連載の第63回(2024年4月1日掲載)は、世界中に熱狂的なファンを持つ稀代の日本漫画「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」がついにミュージカル化されたことについて書きました。ぜひ読者の皆様もその魅力に触れてください。  わたくし阪清和は、エンタメの作品批評に関しては、現在、個人としては日本で最も

          【活動報告=ついにミュージカル化された「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」について書きました、「Creators Eye」連載第63回(2024)】

          異常な出来事に人間が本来持っている可能性や優しさで向き合った人々の姿を通じて絆の本質をえぐり出したミュージカル。トップ俳優たちが「全員が主人公」の物語を演じ、演劇というものの新しい可能性さえたぐりよせた…★劇評★【ミュージカル=カム フロム アウェイ(2024)】

           「9.11」。この数字の羅列、あるいは日付が特別な意味を持つようになったのは、あらためて説明するまでもなく米国東部時間2001年9月11日朝(日本時間11日夜)に起きた米中枢同時多発テロからである。主な標的となったニューヨークのワールド・トレード・センターやワシントンの国防総省ペンタゴンのほか、世界中の様々な場所での、それぞれの人の「9.11」があったはずだ。テロの手段として旅客機が使用されるという特殊性から、さらなる被害を防ぐため、テロの直後から領空が閉鎖された北米地区で

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          異常な出来事に人間が本来持っている可能性や優しさで向き…

          チェーホフ劇のような人生の情感と悲哀漂う空間の中に上質な時間が流れる稀有な一作に…★劇評★【舞台=骨と軽蔑(2024)】

           さらさらと毎日が流れていくようなさりげなさの中で個々の登場人物が抱えているものがそれなりに深刻で、逆に彼らがそれにこだわればこだわるほど滑稽に見えてくる。やがて最初はあまり気にしていなかった物語の外枠がぎりぎりと彼らと、そして私たちを締め上げてくる。なのに、登場人物たちはたくましく、しかしどこかしなやかに生きている…。劇作家、演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の名作戯曲を気鋭の演出家が演出してきた「KERA CROSS」シリーズのラスト公演はなんとKERA自身

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          チェーホフ劇のような人生の情感と悲哀漂う空間の中に上質…

          【活動報告】 「阪 清和 note」の総訪問者数が通算50万人を突破しました(2024)

           国内のブログサービスでも運営者数がトップグループ(執筆者16万人、ブログ数466万、閲覧者数千万人=すべて推計です)のlivedoorブログで配信している「SEVEN HEARTS」と連動してさまざまな情報を発信しているエンタメ批評家、阪清和の「阪 清和note」の総訪問者数が本日2024年3月16日、50万人を突破しました。ブログは2012年7月にスタートしていますが、noteと連動を開始したのは。2018年4月からとなりますので、約5年11カ月での50万人達成となります

          【活動報告】 「阪 清和 note」の総訪問者数が通算50万人を突破しました(2024)

          有澤樟太郎のしなやかな鋼のような唯一無二の精神性と宮野真守の絶対的な存在感の対比見事、アートフルな物語の世界をよりスタイリッシュなものに…★劇評★【ミュージカル=ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド(有澤樟太郎・廣瀬友祐出演回)(2024)】

           悪が栄えるには栄養が必要だが、残念ながら、社会がふんだんに提供してくれる。どんな邪悪な独裁者でも社会にうずたかく積もったほこりや不満という栄養を吸い取って大きくなっていく。だからどんな時代でも悪がはびこっていくことは避けられないが、それに対抗する崇高で高貴な精神を社会に絶やしてはならない。そしてそれは永遠に続いていかなければならない。たとえ少年少女時代に読んだ漫画でそのことを知ってピンと来ていなくても、いつか社会に出た時、そのことの大切さを思い知ることになる。日本人の精神構

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          ジョジョが持つ身体性をミュージカルが明確に可視化、松下優也のまっすぐさと優しさ、宮野真守の破壊力、東山義久の工夫が物語を格調高いものに… ★劇評★【ミュージカル=ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド(松下優也・東山義久出演回)(2024)】

           無国籍な漫画はたくさん生み出してきた日本だが、欧州の歴史の中で生まれも育ちも外国の登場人物たちの、西洋的な教養の上に立つ宿命の物語を、ディティールにこだわって、何代にもわたって描き続ける―。連載開始当時、そんな漫画をかつて見たことがなかった。だから海外のMANGAファンたちがいち早くその価値に気付いたのは当然だとしても、この漫画を支えてきたのは漫画というものの可能性を信じていた日本の多くのファンたちだ。物語や世界観だけでなく、「あしたのジョー」や「北斗の拳」によって飛躍的な

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          【活動報告=詳報】 「ミュージカル・ベストテン2023」1位は「ラグタイム」、俳優1位は2年連続で井上芳雄・望海風斗、ベスト10入りのspi・森彩香に注目、演出家は藤田俊太郎、私も選考投票に参加しました(2024)

          【注】この記事は「ミュージカル・ベストテン2023」選考投票への参加のご報告と、集計結果をお知らせした速報記事(2024.03.05投稿)の詳報版です。見出しと本文には速報記事と重複する表現があることをご承知おきください。 ★速報記事=2024.03.05投稿  わたくし阪清和(さか・きよかず)は日本のミュージカル界の2023年を総括するミュージカル出版社の「2023年ミュージカル・ベストテン」の審査投票に今回も参加させていただきました。このミュージカル・ベストテンはミュー

          【活動報告=詳報】 「ミュージカル・ベストテン2023」1位は「ラグタイム」、俳優1位は2年連続で井上芳雄・望海風斗、ベスト10入りのspi・森彩香に注目、演出家は藤田俊太郎、私も選考投票に参加しました(2024)

          【活動報告=速報】 ミュージカル・ベストテン2023の投票に参加しました、1位は「ラグタイム」、俳優部門1位は2年連続井上芳雄・望海風斗、演出家は藤田俊太郎(2024)

           わたくし阪清和(さか・きよかず)は日本のミュージカル界の2023年を総括するミュージカル出版社の「2023年ミュージカル・ベストテン」の審査投票に今回も参加させていただきました。このミュージカル・ベストテンはミュージカル関係者、ファンはもとより、世間の注目度も高い大変権威のある賞です。私は共同通信社文化部の演劇担当記者だった2008年から2011年までお手伝いし、2012年は担当を外れたためにいったんお休みしていましたが、フリーランスのエンタメ批評家、インタビュアー、ライタ

          【活動報告=速報】 ミュージカル・ベストテン2023の投票に参加しました、1位は「ラグタイム」、俳優部門1位は2年連続井上芳雄・望海風斗、演出家は藤田俊太郎(2024)

          【反響速報=ミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」の劇評反響速報記事がnoteで「先月もっとも多く読まれた記事のひとつ」に選ばれました(2024)】

           わたくし阪清和が運営しているエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」で発表している劇評や映画評の完全版を有料(リポートやニュース記事は無料です)公開する場所として活用しているクリエイターの作品発表型SNS「note」(会員数380万人、アクティブユーザー=閲覧者=6300万人)で2023年10月20日に投稿・掲載した堂本光一主演のミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」の反響が大きいことをお知らせした2024年2月7日掲載の反響速報記事が昨日2024年3月2

          【反響速報=ミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」の劇評反響速報記事がnoteで「先月もっとも多く読まれた記事のひとつ」に選ばれました(2024)】

          死に際しても創造への情熱を途絶えさせない寺山修司の意思の生命力をリスペクトやオマージュにあふれた脳内劇に展開。香取慎吾の刺激的な表現映える…★劇評★【舞台=テラヤマキャバレー(2024)】

           就職して東京で暮らし始めたころ、中央線の電車の車窓から毎日、阿佐ヶ谷の、ある大きな病院を眺めていた。そこには寺山修司が入院していた。やがて最期の場所となるその病院。私は演劇への興味はまだ人並みよりは多少強いという程度だったが、寺山が若者に向けて発するメッセージが好きだった。既に混沌としていたこの社会をどうやって歩いていけばいいのか。寺山が誘うのは突破口のような分かりやすい出口ではなく、むしろ迷路への入り口のような妖しいドアだったが、混乱を極めていた自分たちにはうってつけの扉

          死に際しても創造への情熱を途絶えさせない寺山修司の意思の生命力をリスペクトやオマージュにあふれた脳内劇に展開。香取慎吾の刺激的な表現映える…★劇評★【舞台=テラヤマキャバレー(2024)】

          源孝志が縦横に張り巡らせた戯曲と蓬莱竜太の大胆な演出によって時を超えて結びついた江戸歌舞伎の改革児中村仲蔵と、現代演劇の申し子藤原竜也の2つの役者の魂は激しくスパークし、舞台の深淵を私たちに感じさせてくれた…★劇評★【舞台=中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~(2024)】

           新聞記者時代に3年以上の長きにわたって毎月、蜷川幸雄さんにインタビューをさせてもらっていた時、自らが見出したと言われている藤原竜也に話が及んだことがある。たまたま同時期に藤原にもインタビューの機会を得た私は2人がそのころどんな凄まじいやり取りをしたのかを図らずも聞くことになった。詳細は控えるが、蜷川さんは藤原を徹底的に厳しく指導した。藤原は何度もくじけそうになりながら食らいついた。蜷川さんは藤原が持つ天性の才能を認めながらも徹底的に千尋の谷(千仞之谿、極めて深い谷のこと)へ

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          源孝志が縦横に張り巡らせた戯曲と蓬莱竜太の大胆な演出に…

          【反響速報】 「チャーリーとチョコレート工場」劇評が公演別ランクで6回目の首位に、「演劇感想文リンク」週間アクセスランキング、主催者別で「シラの恋文」のシス・カンパニーも首位(2024)

           クリエイターのための作品発表型SNS「note」やわたくしが運営するエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」に2023年10月20日に掲載したミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」の劇評が本日2024年2月14日、演劇やダンスなど舞台の感想、劇評、レビューを収集して分類掲載している劇評サイト「演劇感想文リンク」の2月4日から2月10日までの週間アクセスランキングの公演別アクセスランキングで、他2サイトと共に首位に立ちました。1位になったのは前週以来で3週間

          【反響速報】 「チャーリーとチョコレート工場」劇評が公演別ランクで6回目の首位に、「演劇感想文リンク」週間アクセスランキング、主催者別で「シラの恋文」のシス・カンパニーも首位(2024)