見出し画像

大企業で責任がとれないバカへの賛辞

私は外資系であるフランスの企業で働いている。外資系と言われると、アメリカ系の金融コンサルタントやシンクタンク的な企業を思い浮かべるだろう。
しかし、フランス系はそんなロジカルで煌びやな感じではない。じつは社内の雰囲気が日系企業に近い。(もしかしたら私が働いている会社だけかもしれないが...)
その背景としては日本と同じで雇用に対する法律が厳しく、クビを簡単に切れないと言う点が原因だと個人的に考えている。

まあ何が言いたいかというと、大企業で”ある程度の評価”の人が上に立つと政治的面も含めて、意思決定プロセスがドルアーガの塔のクリアくらい難しいと言うことだ。

頭の良さ

そんな会社なので会社全体で『決定』の責任をたらい回しにしている。高い給与をもらっている人ほどその傾向が強いから手に負えない。

行動経済学によると、人間はストレスに晒されると生き残るために、悪い情報に耳を傾けて、安全策を選ぶらしい。大企業だと上にいけばいくほどプレッシャーも強くなるので、強いストレスに晒されているにいると言っても過言ではない。会社内ではその安全策を選ぶ行動が頻繁に起こる。
安全策を取ろうとするのは脳の中の扁桃体という本能を司る部分に従った判断で、ネズミや猿でも同じ行動が見られる

あまりディスってもしょうがないので、このくらいにして。ストレスのある環境下における対応で頭の良さが分かるという研究結果がある。

ロンドン大学の論文で820人の男女に性格分析とIQ テストを行った結果、曖昧さと混乱に耐える能力が強ければ強いほどIQ が高かった。

全く同列ではないが、ストレスに晒された状況で安全策を取る輩は控えめに言っても頭が悪いという事だ。

正解を探すバカ

頭の良さをIQで表していたが、大企業に入る頭の良い人材の場合は「学歴」を指す。フランスはそのお国柄、学歴が社会の中で幅を利かせている。現在レバノンに在住のカルロス•ゴーン氏もエコール•ポリテクニークという学校を卒業している。日本の東京工業大学的な存在だが、年間400人程度しか入学できないことを考えるともっと頭の良いイメージだ。

そんな人たちがエリート街道の一歩として、日本法人でそれなりのポジションで立ち寄る事がある。彼ら/彼女らは「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式 山口 周 著」でいうところの組織に従順で、勤勉で、努力家で、正解を探そうとするオールドタイプに属する。そのため、できるだけ多くの解決法を並べた上で徹底的に議論し、その中から最も正解に近そうな答えを選ぼうとする。
学歴社会で勝つには”正しい”手順だが、びっくりするほど遠回りをするバカに見える。出来る限り不確定な事実、つまりカオス状態を減らしてなんとかして自分が怪我しない方法を模索しようと必死になる。
さらに、後々調査するという前提で、経験則から導き出された答えを用意すると、全ての詳細を今求めてくる。フランス人にとって「人と違う行動を取る」、「理由をしつこく聞く」、「会議で異論を唱える」は美徳だ。それが仕事を増やしていて部下や関係部署からの大ブーイングをくらっているにも関わらず。

マネジメントは正解を探してはいけない。会社の取り巻く環境を含めた”課題”を見つけて全体最適の解決法を進めるべきだ。さもないと、部分最適の答えを出した上で途中で頓挫する可能性が高い。

最後に

いつも多大なるプレッシャーの中で働いているマネジメントは本当に大変だと思う。
•自分の椅子を必死に守り
•ストレスが来れば猿のように振る舞い
•良かれと思って発言したらイヤな顔される

じつにオールドタイプの典型の良い子で居続ける。世の中に必要とされている仕事をしているかどうかも分からないのに。

オールドタイプはそのまま自分の道を歩んでいって欲しい。そうすれば、変化を好み、時代の流れに乗ろうとしている人材に追い抜いていくので。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?