ジェイ・ホワイトが新日本プロレスに残したものと後継者

2月19日サンノゼ大会。新日本プロレスに所属するプロレスラー、ジェイ・ホワイトはエディキングストンとの新日本プロレス追放マッチに破れて、リングを去りました。

これには世界最高のプロレス団体であるWWE、あるいは急速に力をつけるその対抗団体AEWのどちらかにいくんだという話、あるいは家族の側にいたいんだという話など諸説あります。

例え他団体に行っても、AEWは新日本プロレスと頻繁に交流してますし、WWEでも中邑真輔さんがNOAHのリングに上がったように条件が揃えばいつかは新日本プロレスと再びあいまみえることもあるかもしれません。

しかしいずれにせよ彼が新日本プロレスから離れることは事実。そこで私の思うジェイ・ホワイトが新日本プロレスに残したものと、その後継者についてお気持ち表明したいと思います。

1、スター育成の成功ケース

ジェイ・ホワイトは2015年にデビューしてすぐに新日本に入団。ヤングライオンとして過ごしました。そして海外修行から"SwitchBlade"として凱旋。選手の大量離脱もあり、最強のヒール、エース外国人レスラー、人気ユニットBULLET CLUBのリーダー、新日本プロレスのアメリカ進出のキーマンなどと多くの役割を20代中盤の若さで担い活躍していくことになるのです。

これはジェイ・ホワイト本人の素晴らしさもありますが、新日本プロレスが"レインメーカー"オカダ・カズチカで成功させたスター誕生のモデルケースを実践できたのだと考えています。
ジェイ・ホワイトは、棚橋弘至がオカダ・カズチカを凱旋から4年かけて東京ドームのメインイベンターに育てあげたように、オカダ・カズチカらが戦う中で育てていきました。
オカダ・カズチカを例外で終わらせることなく、ジェイ・ホワイトを育成出来たのは新日本プロレスにとって大きく、今後も同じ手法で新しいスターを生み出していく自信になるでしょう。

2.BULLET CLUB

ジェイ・ホワイトをプロレスを、見たことない人に説明するならば、しまむらのブランド、Availのチラシを見せます。
なぜならBULLET CLUBコラボのアパレルのモデルがジェイ・ホワイトだからです。

彼は新日本プロレスのヒール外国人ユニット、BULLET CLUBの4代目リーダーとして活躍しました。
かつて冷遇された外国人選手の反逆として誕生したBULLET CLUBは時代やリーダーによりさまざまに姿を変えてきました。また元リーダー達はWWE、AEWのスーパースターとして活躍しております。

現在はそうした元BULLET CLUBメンバーが他団体で活躍していることから、ジェイの時代にはBULLET CLUBを新日本プロレスという団体を越えたユニットとして広げました。
コロナ禍で日本ではなくアメリカで活動していたこともあり、IMPACTレスリングに彼が出場していた際に勧誘しクリスベイ、そして日本に参戦したエースオースティン。AEWにはジュースロビンソンがBULLET CLUBを名乗っております。(あとはオセアニア興行でも中心人物のファレが増やしてるみたいですが)

今後ジェイが去ったことで新しいリーダーを決めるためのあれこれがあるでしょうが、3/30のIMPACTとの合同興行や今後予想されるAEWとの合同興行ではこの撒いたBULLET CLUBの種がどうなるか?楽しみです。

3.アメリカ進出

ジェイ・ホワイトは新日本プロレスのアメリカ進出にも力を注ぎました。前述のIMPACTやAEWなど他団体への出場、そして新日本プロレスのアメリカ大会や配信番組であるNJPW STRONGの大会には精力的でした。残念ながら今年から新日本プロレス単独で開催するアメリカ大会の数は減少するようですが、IMPACTレスリングやAEWが買収した新生ROHには新日本プロレスが関わるという話が出ています。
ジェイが目指した新日本プロレスの世界進出は姿を変えつつも続きます。


ジェイ・ホワイトの意思を継ぐ者達

以上3点をジェイ・ホワイトが新日本プロレスに残したものとして、今後彼の残した3つはどうなるのか?考えていきたいです。

1.スター育成継承は海野翔太?上村、藤田も。盟友オスプレイは

新日本プロレスの次代のエースはというと、現段階では海野翔太の名前が上がるでしょう。父親がレフェリーのレッドシューズ海野という業界のサラブレットであり、アメリカ大会でジェイ・ホワイト、スターダムとの合同興行でウィルオスプレイ、北海道大会のメインで内藤哲也、東京ドームでラストマッチの武藤と試合が組まれる・・
団体が次のエースはこいつだぞ、と推してる印象です。
しかし上記の大物とのシングルマッチではいずれも敗北しており、オカダ・カズチカやジェイ・ホワイトの辿ったスターへの最短距離を進んでいるかというと少し違う気もします。

そういう意味で今後に期待するのは今年凱旋であろう海外修行中の上村辻、そして現在団体最年少のヤングライオンながらTMDKに加入するなどこれまでと違う扱いを受ける藤田、彼らの誰かがネクストオカダ、ネクストジェイとなるのではないでしょうか?

またジェイと同い年であり、ケニーオメガから同じく団体を託された盟友ウィルオスプレイ。レッスルキングダムでそのケニーオメガととんでもない試合をした彼は、ジェイが去った今最強のガイジンレスラーであり、おそらく今年にオカダ・カズチカを超えるストーリーが組まれ、新日本プロレス最強のレスラーとなります。
しかし彼がその後にさらなる次世代の育成に回るのか、それとも新日本をジェイに続けて去るのかは不明です。あの才能をアメリカで見たい気もしますが。

2.BULLET CLUBのリーダーは同期フィンレー?ファンダズモ、あるいはヒクレオの再ターンか。

昨年末に鈴木軍は解散しましたが、新日本プロレスがアメリカ展開をしていく以上、BULLET CLUBの解散はしばらくはあり得ません。するとジェイの次の5代目リーダーは誰か?

コロナ禍で外国人選手が来れない時にはEVILさんが加入してリーダーたこともありましたが、恐らく外国人選手ということは続けるでしょう。
すると候補はジェイ追放の際に彼を襲撃したデヴィッド=フィンレー。リーダーを襲撃した彼がどう新リーダーになるかは不明ですが。
そしてBULLET CLUBの歴代リーダーのムーブを試合で見せるエルファンタズモ。彼は長くジュニアヘビーの選手でしたが、ヘビーに転向し新リーダーへ意欲を見せます。
またジェイ・ホワイトの日本最後の相手ヒクレオ。兄弟の絆で本隊に入りましたが、ジェイの意思をついでBULLET CLUBのリーダーになるために再度加入するかもしれません。タマトンガは格はありますが、本隊に馴染んでるからどうだろなあ。

あるいは2代目リーダーA.J.スタイルズのように新外国人選手が突如現れるか?
いずれにせよ歴代リーダーと比べられるのは仕方ないですし、しばらくは荒れるでしょうね。

3.海外展開を託されたのは超大物、サーシャバンクス。そして2人の日本人

サンノゼ大会は3日でチケットはソールドアウト。そしてAEWのCMパンクなど超超大物が訪れる話題の大会となりました。

その理由は元WWEのサーシャバンクス、メルセデスモネ。
WWEを幹部と対立して去った彼女が参戦したのが日本のプロレス。現在スターダムのビッグマッチに参戦するKAIRIとIWGP女子王座をかけて争い、勝利したのです。
新日本プロレス、というよりスターダムを含める親団体ブシロードのプロレス海外展開の起爆剤であり、今後新日本プロレスのアメリカ大会での出場が予想されます。彼女にふさわしい相手を用意さえできれば、新日本プロレスはアメリカでWWEAEWに続く第3のプロレス団体となっても不思議はありません。

そしてやはり新日本プロレスの大会なら、外国人選手だけでなく日本人選手も欲しい。とはいえ、毎回所属日本人選手全員がアメリカに行けるわけはない。
そこで今後アメリカ大会の中心となると考えるのが海外在住でWWEにも所属したKUSHIDAとKENTAです。
特にKENTAはBULLET CLUB所属ということもあり、ジェイ・ホワイトと絡むことも多かったので、彼のレガシーを拾い上げ、続けてくれるのではないかと思うのです。

まとめ

今回の文を書いて、ジェイ・ホワイトの担った役割の大きさには改めて驚きます。
彼の役割を1人1人が担っていってほしいです。

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