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「ちょうどいい塩梅」の家づくり|やりすぎずやらなさすぎないのがベスト

前回は、「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ!」について、お話しました。まーこれ、思いっきり矛盾してるのはお気づきの通り。今日は、じゃ、どうすれば?について、お話していきます。

「ちょうどいい塩梅」の精神は古代より

論語に出てくる「中庸の徳たるや、それ至れるかな」という一説の「中庸(ちゅうよう)」という言葉が、ちょうどいい塩梅を指します。

古代ギリシャでも、アリストテレスが「メソテース」という言葉を、「超過と不足を調整する徳」として紹介しています。

いつの時代も、やりすぎずやらなさすぎず、適当に、いい加減に、腹八分目くらいがちょうどいいよって、偉い人が言ってるので、たぶんいい感じの考え方なんだと思います。

過不足なく偏りなく建材をそろえる

ちょうど塩梅の家づくりでは、過不足なく偏りなく建材を揃えていきます。

「過不足なく」とは、やりすぎずやらなさすぎずという事。点数でいうなら、80点を目指そうという感じです。

「偏りなく」とは、全ての建材で80点を目指そうという事。窓100点・気密60点ではだめなので、窓80点・気密80点をまず目指すって感じ。

窓や断熱などの基本性能、外壁などのメンテナンス性能、シロアリ対策などの災害対策、全てにおいて80点を目指していきます。

80点を超えると費用対効果は落ちる

家の建材の性能って、お金をかければかけるほど良くなるので、80点以上を目指すの悪いことではないのですが、90点100点を目指すと、費用対効果が落ちていきます。

白黒テレビから液晶テレビになると超感動するけど、液晶テレビから4Kテレビになっても少し驚くくらい、みたいな。家でも同じことが言えます。

例えば窓。アルミサッシ+単板ガラスから、オール樹脂サッシ+Low-EペアガラスへのグレードUPは、超感動レベル。結露がなくなって、窓際が冷えなくなって、すぐに体感できると思います。

でも、そこからさらにオール樹脂サッシ(ウレタン充填)+Low-EトリプルガラスにグレードUPすると、確かに性能は良くはずですが、驚くほどの体感は得られません。

費用対効果

80点はお金をかけなくても到達できる最高点

80点のラインは、「さほどお金をかけずに到達できる最高点」とも言い換えることができます。これより上に行くとお金がドンとかかりそうなので、その手前で止めておきましょう。のラインが80点。

例えば窓なら、Low-Eペアガラス(空気)から、Low-Eペアガラス(アルゴンガス)にグレードUPしても数万円しか上がらず断熱性能は1~2割UPするのでOK。

一方、Low-Eペアガラス(アルゴンガス)からLow-Eトリプルガラス(アルゴンガス)にグレードUPすると、断熱性能は1~2割するけど、数十万円かかるからNG!と判断する感じです。

窓ガラス

全ての建材で80点を

住宅会社的には、わかりやすい100点の建材でPRし、わかりにくい60点の建材でコストカットするのが合理的。

例えば、断熱性能は北海道並にして、メンテナンス不能な換気システムを付ける…とか、地震には超強いけど、シロアリ対策が激よわで土台の木材食われる家…みたいな。

施主のメリットを最大化できるのは、性能凸凹の家ではなく、全ての建材で80点をクリアできる家であることは、説明不要かと思います。

<せやま性能基準>

せやま性能基準

ちょうどいい塩梅「80点」の具体的ライン

グッシンで紹介している「せやま性能基準」にまとめていますので、そちらを確認してください。

関連記事:住宅会社の「性能」を見極める方法|「せやま性能基準」11項目を徹底解説

各建材を、不足→少し不足→ちょうどいい塩梅→余裕があればの4段階で評価していますので、まず全ての建材で「ちょうどいい塩梅」をクリアした上で、予算に応じて「余裕があれば」のレベルにチャレンジしてください。

せやま性能基準ダウンロード:【無料】家づくりツールを完全公開します|ダウンロードまとめ

では、今日はここまで。次回は、ちょうどいい塩梅の「家の価格」についてお話します。ではでは~

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