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【林業日記11】木の「上」で林業をする。

「特殊伐採」って聞いたことありますか?

おそらくこの文章を読む方の多くは林業に関心のある方なので、一度は聞いたことある、あるいは憧れている、もしくはすでに特殊伐採の仕事をバリバリやってるよ!なんて方もいらっしゃるかもしれません。

ここ最近、林業界でもこの特殊伐採に踏み込む人の人数は増えているようで、私たち夫婦もその1組となろうとしています。

それこそ夫は先週1週間ずっとツリークライミングをイベントとしてやっていけるように講習会を受講していたほど、木登りに最近魅了されているようで、私も夫のススメで、2019年にツリークライミングの講習を受けました。

その当時、受講したのは「アーボリスト」と呼ばれる樹上伐採・特殊伐採を育成するためのアーボリスト・トレーニング。

ATI(Arborist Training Institute)という、もっとも安全性を重視し、アーボリストとしての技術と科学的研究に基づいた情報機関と連携した、アーボリストの育成機関が行なっているものに参加をしました。


“アーボリスト”樹護士という仕事は、樹木を植え育て、剪定したり時には危険木を伐採したり、街路樹、公園緑地整備、街づくりのランドスケープに至るまで緑を豊かにし人間の暮らしも豊かにできるやりがいのある職業の一つです。また同時に最も危険な職業の一つでもあります。アーボリストは道具を使い樹上作業をしているので常に危険と隣り合わせです。

ATI所長 ジョン ギャスライト あいさつより引用】

BAT1,2という講座を受けましたが、どうしたら安全に作業をできるのかということを徹底して教えていただきました。

日本のこういった講義ではわりとさらっと流される危険に関してのことも、世界と連携していることもあってか、YouTubeにアップされている危険な樹上伐採の例を何本も紹介されたり、実際に樹上伐採をしていてケガをされた方についてのお話を聞く機会なんかもありました。

この樹上伐採は、木登りを行うための道具はもとより、牽引したりするための道具も必要になってくるので、道具を揃えるにも、そこそこのお金がかかります。

ですが、地上での林業と比較すると、収益性は樹上伐採のほうがいいと言われています。

とはいえ、樹上伐採は1本1本の木を相手に行う作業になりますが、そればかりしていると、日本の手遅れの山々がもっともっと手遅れ状態に陥ってしまうので、この山の管理だって誰かしらが行わないといけない。

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なので、樹上伐採も地上での林業も、山の管理面においても、収入面においてもバランスよく行なっていけるようにしたいと、私たち夫婦は考えています。

そうはいっても、やっぱり樹上伐採は、まずは木登りに慣れることから。

そして、ど素人の私は地上での林業をまずは身に覚えさせることを徹底しないといけないと思いながらも、また隙間時間ができたら木登りの練習もしたいなと思います。

この樹上伐採ができるようになれば、例えば、Aさんの家の目の前にある巨木を今までは根元から切るしかなかったけど、樹上伐採の技術をつかって剪定してやれば、もしかしてその木を生かし続けてやることができるかもしれないという可能性もあるんですよね。

そういう意味では、これからの林業においては、地上のみならず樹上での技術も身に付けることで、従事者側も仕事の幅も広げることができるし、お客さん側としても選択の余地ができるのかもしれないな、なんて思っています。

木を通して、自然をデザインする。

林業家とはそれくらいの大きなことを行なっているので、いろんな視点から物事を見れるように、ど素人の私も精進したいと思います。

今日は何のこっちゃという話になりましたが、林業を全く知らない方にも、「林業」と一言にまとめても、こういう世界もあるんだよということを知ってほしくて書いてみました。

樹上伐採の仕事は夫が今現在、仕事を取ってこれるように交渉中のようなので、またその仕事が取れたら、その話も書いてみようと思いますので、お楽しみに。


サポートありがとうございます!私たち夫婦は山を買うのが夢なので、その資金に充てさせていただきます!