神様って

いいもんなのかなぁ。

高2のとき受けた倫理の授業を機に、そんなことについて考えることが多くなった。

倫理は嫌いだと言う人が周りには多かったけど、私は結構好きだった。授業中白目剥いたまま最前列で居眠りこいてしまって先生にドン引きされたことはあるけど……それでもセンター試験の公民科目に選択するくらい愛着のある科目だった。

それからしばらくして高校を卒業して、たまたま進学した先がミッション系の大学だった。校舎には大きな礼拝堂があって、1年と3年の必修科目には当然のようにキリスト教の授業があって、聖書の教えとかキリスト教学に基づいたものの考え方とかを知る機会もある。

私は今も昔も無神論者だけど、その一方で無神論者であるが故の生きづらさも感じていた。

どうしようもなくなったときに縋れる存在がいないことに対する不安。

それで、やっぱり一神教で何か絶対的に縋れる神様っていう存在があるのは生きていく上で心強いだろうなぁ…というだけの理由で、大学1年生の後期の一時期、洗礼を受けるか割と真面目に迷ったことがあった。

それからしばらくして、バイト先の塾で小学生の勉強を見る機会があった。

その子の家は敬虔なクリスチャンの家庭(確かお祖父さんが牧師さん)で、そのときの雑談でなんとなく、軽い気持ちで「私〇〇〇ちゃんと同い年の頃はさ、寝てるうちに自分が死ぬんじゃないか不安で眠れなくなることよくあったんだけど、そういうことあったりするの?」と聞いてみた。
その子は「死んだら神様のところにいくから大丈夫。でも怖くなって夜泣いてしまうときはお母さんが慰めてくれたりするよ」と言った。

「そうなのか〜」と口では言いつつものすごく反省した。
一神教について分かった気になって生半可な気持ちで縋ろうとした自分が急に恥ずかしくなった。
それ以来すっかりそんなことも考えなくなり、相変わらず私はそのまま、どっちつかずでやらせてもらっている。
もうあのバイトのときから2年経つけど、あの子元気にしてるかな。

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