ああ！困った！マフィアの親分の一人息子が敵対マフィアに捕まっちゃった！金もない！でも彼に頼まにゃ！そう、タイラー・レイク氏に！

まさか街の映画館が閉鎖され、新作がこれっぽっちも見れなくなってしまった、このご時世にNetflixからやって来た新作映画。
なにも知らないけれど、こちとら映画に飢えてるんだ！鮮度の高いうちに頂きます！
そんな本作の主演は我らがマイティ・ソーのクリス・ヘムズワース。もちろん吹替は三宅健太さん！脚本はなんとアベンジャーズでお馴染みのルッソさん。そんなMCUで旬な人たちでお送りする本作はコテコテすぎるアクション映画でした。はい、大好物です。

ホース・ソルジャーなどでも兵隊役はやっていた、クリヘムですが今回はリアルな役回りというよりは、ジェイソン・ステイサムばりに手際の良い無敵なマッスルとして大立ち回りを見せてくれます。

これでもかと次々と手際良く敵を捌いていくクリヘムは見応えたっぷり。
そして見所は中盤の超長回しのカーチェイスシーン。
一体全体どうやったらこんな頭のおかしい映像が撮れるのかと思ったら、マジで頭のおかしい撮り方をしていて爆笑しました。
クリヘムも体張ってますが、それ以外もだいぶ張ってます。

観てない人は是非！これを機会に見てみてはいかがでしょうか！

↓以降ストーリーのネタバレ注意！↓

ここからはもうちょっと食い込んだ内容の感想を。
本作はなんともハードな世界観と、純然たる傭兵としての主人公というのが驚きです。だって、人質は悪者マフィアの息子で、タイラー・レイクの職業は善玉と言うわけでもないただの傭兵ですからね。なんともグレーな奴らばかりなんですよ。珍しいですよね。

そして本作では兵士未満な武器を持った少年たちが数多く出て来ますし、殺される子供もいたりと絵面はそこまでグロい訳ではないですが、ブラックホークダウン並にショッキングでした。自分の知らないところで今もこの様な子供達がいると言う現実が身につまされます。

展開も依頼主が最初から踏み倒す気満々なのが今までにない展開で驚きでしたね。おかげで展開は三つ巴のややこしさがたまりません。
それに雇い主の子分でクリヘムを追う追跡者である、ランディープ・フーダーのカッコ良さと男臭さはクリヘム以上で最高でしたね。
ハリウッドデビューが今回で一発目のようなのでこれからが非常に楽しみな人です。

しかし本作は後半の展開は個人的にちょっとイマイチ。
カーチェイス以降もアクションはいろいろあるけれど、あそこまで派手な展開は無く、ストーリーとしても礼金は踏み倒されたはずなのに、傭兵組織が少年ごと助けに来たりと説明も無く話がズンズンと進んじゃいます。
最後には敵のマフィアも何故か始末されちゃうし、タイラーも川に落ちたのに何故か生きてるっぽいし。余韻はあるかもしれませんが、かなり投げっぱなし感の強いラストで若干微妙な気持ちになっちゃいました。

そんな訳だけども、それでも純度の高いアクション映画！
こんな気落ちする退屈な毎日にスカッと一発見るにはかなりオツな一本です。クリヘム好きもアクション好きもみんなが楽しめる一本ですよ！

あと最後に一言…
「コイツは映画館で観たかったよ！！！」

DATA

タイラー・レイク -命の奪還-
公開年：2020年
製作国：アメリカ
上映時間：117分
監督：サム・ハーグレイブ
ジャンル：アクション