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監獄!異能!怪人!【イースⅨ -Monstrum NOX- 】(PS4)

全てはこのⅨを遊ぶために

イースⅧは超楽しかった。考えられたシチュエーションで、冒険と探索、そして仲間たちとの交流が楽しく、ゲーム進めば進むほどさらなる展開にワクワクし、主人公アドル・クリスティンの魅力を遺憾なく発揮した素晴らしいゲームだった。
そんなイースシリーズ。もちろんその続編であるイースⅨも気になる…。そしてイースⅧのことを友人と話した時に「Ⅸは過去のイースを知っているともっと楽しめる」と教えてもらった…なるほど…それじゃあイースマラソンするか!!!

そんな訳でイースⅧをクリアしてからは「PCエンジン版イースⅠ・Ⅱ「Pエンジン版イースⅢ」「PCエンジン版イースⅣ」「SFC版イースⅣ」「イースV」「イースⅥ」「イースSEVEN」までのナンバリング、そして「フェルガナの誓い」や「セルセタの樹海」などのリメイクなど、この一年くらいずっとイース三昧で計10本をクリアした。それもこれも全てはこのイースⅨを全力で遊びたいがため。ちなみになぜ「イースオリジン」を遊んでいないかというと、もう我慢できなかったからだ。

異能アクションでⅧを超えろ!

そんな本作のストーリーは監獄都市バルドゥークを舞台に、異能を持った怪人たちと共に「グリムワルドの夜」の謎と、アドルたちに課せられた呪いを解くために奔走する物語。

日差しと自然たっぷりのⅧから、ゴシックホラー調な雰囲気の石造りの街が冒険の舞台だ。

さらにアドルは怪人「赤の王」となり。様々な壁を垂直に走ったり、空を滑空したりなどの「異能」と呼ばれるアクションが使えるようになり、アクション性はイースⅧから大進化。アサシンクリードもびっくりな町中の建物高いところから屋根から屋根へ自由自在縦横無尽に移動できるようになり、さながらオープンワールドの作りになった。進化しすぎ!
怪人の仲間たちが増えていくことでどんどんアクションが多彩になっていくのが楽しすぎるぞ。(セルセタのような仲間の入れ替えも必要がないのも嬉しい)

異能「天空散歩(ヘブンズラン)」は垂直な壁も簡単に登れる!
異能「猛禽の翼(ハンターグライド)」は空を自由に滑空だ!

舞台となり、唯一の街であるバルデュークも広大でありながらも路地裏から屋上、建物の隙間までとてもよく作り込まれており、探索要素も豊富なので飽きる事なく歩き回れて出来て大変楽しい。おかげで寄り道が楽しくてずっと散歩してしまう。

屋根の上だろうとなんだろうとスイスイ動き回れる!

さらにイースⅧで良かった、仲間との交流や、武器の強化、瓶システム、防衛戦などが引き続き登場するので、全然違う舞台でイースⅧと同じ楽しみ方が出来る。つまりⅧで良かった部分は全て引き継いで、更に新しい要素も盛りまくったのがⅨなんだ。そんなの面白いに決まってるじゃん!!!

ストーリーも謎が謎を呼ぶお話になっていて気になるし、登場するアドルを助けてくれるキャラクターたちも訳アリでクセが強い人たちばかりで大満足(詳細については後半で語ります)、しかしイースⅧとはうってかわり、都市を舞台にしたことで登場人物が多くなりまくって若干ややこしかったかなと思う。雰囲気もⅧほど明るくはないけれど、コレはコレでⅨの味として良いと思うね。

歴代シリーズを遊んできたご褒美

そして本作のアドルは御年24歳。時系列的にはSEVENの後であり、現行では最も新しい話にあたる。アドルも数々の冒険を経験してきたおかげで、話の節々に今までの冒険の話が出てくるのがとても嬉しい。たしかにこれはシリーズを遊んできて良かったなと思うね!
毎度漂着したり装備を落とすことにもツッコまれていて笑えました。

アドルは歴代の冒険のおかげで捕まってしまう
旅を共にしてきたドギがいろんな思い出話をしてくれる。それ笑顔で語ることか!?

Ⅸはダンジョンが惜しい

そんなⅨの惜しかった点はダンジョンの作りがワンパターンなところ。仕掛けやアクションなどはとても凝っているけど、地下道や暗渠などロケーションは薄暗い人工的な場所ばかりで目新しさが無くどこも同じに見えてしまうし、構成も中ボスを挟んで大ボスそして監獄に通じているパターンになってしまい、この先に何があるかわからないワクワク感がないのは残念でした。(Ⅷはこの辺が大変上手だった)

それとグリムワルドの夜で「防衛戦」の、もう一つのモードとして用意されたターゲットを破壊していく「破壊戦」は、敵を無視して破壊するだけの作業になってしまい、あまり楽しめませんでした。最後一つ残ったターゲットをカメラをぐるぐる回して探し回るのがちょっと面倒くさくて苦手でしたね…。

そしてアドルの旅は続く…

本作は35時間程度でクリア。難易度はⅧが若干ヌルかったのでハードで挑戦しましたが、ほどほどの手応えがあり楽しめました。
本作は謎が謎を呼ぶストーリーとクセもある魅力的なキャラクター、そして自由度の高いアクション、そしてイースが今まで培ってきた素晴らしいシステムも相まって非常に楽しめる一本でした。大満足!

そしてアドルの物語はここで途絶えている。彼のバルデュークの後の冒険を楽しみにしつつ、僕は次の冒険へと向かう。
時は遡り700年前、古代イースの物語へ…。


DATA

イースⅨ -Monstrum NOX-
発売 /開発:日本ファルコム
対応ハード:PS4、Switch、Steam
発売年:2019年9月26日(PS4版)
ジャンル:オープンワールド型アクションRPG


[以降はの文章はネタバレを含みます。]

キャラクター別所感

今回のアドルの仲間たちは「怪人」という別の姿をもった連中で、その正体を探る楽しさもあり、一目でわかるそのまんまの人もいれば、意外な人物が怪人であることもあり、なかなか良い面子でした。
また今までのイースシリーズは真面目で良い人が多かったですが、善良さ持ち合わせないクセの強いキャラクターがいたりと、今までのシリーズとは違う方向に舵を切っているのも良かったです。

アドル・クリスティン / 赤の王

王だよ!キングだよ!

今回一番のミステリーとなり、話を牽引する男。今回はキチンと主人公していました。
はじめてパッケージを見た時は、その謎のカッコいい格好に「一体アドルどうしたんだ!?」と困惑したが、こういうことだったのね。そしてここまで冒険していると、アドルの経験を利用する奴まで現れて大変ですね。
アドルが2人という謎がどんどん深まっていくのが楽しかったですし、相変わらずの冒険好きっぷりとその余裕さに笑わせてくれました。

赤の王の正体には驚き、あの別れは少し切ない。

キリシャ / 白猫

このイラスト超好き

本作で最も成長し、第一印象とそれ以降が一番変わった人。そして戦闘スタイルがファイターというギャップが最高。
攻撃のレートが高いので戦っていて楽しいですし、終盤の必殺技のオラオララッシュこと「ケルベリアンバースト」が気持ち良いぞ。
でもあの花屋はもうちょっとマシなところに作った方が良い気がする…。

クレド / 鷹

イース界のトレバー・フィリップス。

アウトローの戦闘狂いで、口が開けばロクくでもない事しか言わず、語尾に❤︎を付けるヤバい奴。そして本作Ⅸで最高のキャラクター。
今まで善良な人ばかりだったアドル一行に一石を投じるダークヒーロー。イースⅨの歪さと魅力を引き出してくれたのは彼のおかげだね。クカカ❤︎
必殺技「デッドリーラッシュ」のセリフ「串刺しだぁ!」は完全にイッちゃっていて最高。

ユファがノロケてる時にはどストレートに言うこと言うぞ。
アドルに対してもこの通り。まったくその通りです。

アネモナ / 人形

滑空する時の「よいしょ!」が可愛い。

この人も謎多き人物で、ガリアンソード的蛇腹剣アクションが超気持ち良いし、雑魚の処理が楽なスキルも多く、使い勝手も最高。おかげで後半はアドルよりも使っていました。
エンディングでは多く語られていませんが、人間になれたと言うことなのでしょうか。謎がやはり多い…。

不届者シャトラールにはアップルパイ効果(SP消費無限)を使い、必殺技「コッペリオンオーダー」連発で成敗。お前にはまともに戦うことすら許さぬ。

ユファ / 猛牛

なんとかライン!

みんなのお姉ちゃん。ダンデリオンのウエイターとして来た瞬間に「あんた猛牛だろ!」ってなったよね。広範囲のスキルが楽しいぞ。

エンディングではちゃっかりご結婚。お幸せに!

ジュール / 背教者

怪人でありつづけたいと望む側のかなりツラい背景を持つ少年。そしてお母さんが可愛い。そして鷹にすら恐れず煽るスキルが凄まじい。
戦闘では全て遠距離技のために使い勝手が難しい!
そして思えば彼が今回の「アドルに憧れる少年」ポジションでしたね。

エンディングでは歩く事が出来たようで良かったです。

アプリリス / ロスヴィータ

魔を討て!…ってそれ毎度やって飽きないんですか!

本作のヒロインであり、大変な重要人物ではあるのですが、終盤までとにかく話をもったいぶるので何がしたいのか出番も交流もあまりないのでさっぱりわからない人に。
しかし真相がわかった瞬間やたら表情豊かに話し出すので「絶対シャトラールにやられた人とは別人じゃん…。」となってしまい若干モヤモヤしてしまいました。

過去の回想もあまり無く、セリフと文章でしか彼女の生い立ちが説明されていないのでダーナの時のようなドラマが足りてない気がするのは僕だけですかね…。やっぱりパーティにも参加して欲しかったなぁ…。

とはいえアドルさんはこの冒険に大変満足してるぞ!

ドギ

ツーブロックにキメてる我らがドギ。今回もアドルのために尽くしてくれる最高の相棒。彼がいるだけで安心感は段違いだ。
出番は少ないものの見せ場はキチンとあるし、これからもアドルと共に冒険し続けてくれ!

ガッシュ

イースⅥ以降の時系列ではなにかとアドルの前に現れる男でしたが、今回は特にこれといった出番がないと思ったら…

いた!

ガッシュ…お前、そんな姿に…。
という冗談はさておき、突然クレドのエンディングに現れたりしてびっくり。

細かいストーリーについて

今回はまぁ登場人物が多い上に、さらに過去の戦争や政治の話でややこしかったです。特に気になったのは500年前のロスヴィータたちが戦った戦と、グリアとロムンの戦、二度の戦という歴史が重要な立ち位置なんだけれど、ややこしいのが二つとも台詞でしかほぼ説明がないので若干わかりにくくい所。グリムワルドの夜やロスヴィータの過去ももう少し説明が欲しいかなと思ってしまいましたね。

しかし終わりよければ全てよし、思えばとんでもなく大変な目に遭ったアドルと仲間たちでしたが、彼らとの冒険は非常に楽しめるモノであったことは間違いありません。大変素晴らしいゲームでした。

もうこの絵も最高。達成感が違う!

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