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シンプル的ピクミン【 THE 原始人 】 (PS2)

発端は一匹の猿の夢

一匹の猿は夢を見た。近い将来この集落に遊星が衝突し我々は滅びると。そしてボス猿はこの危機をどうにかするには我々は進化していくしかない!という結論に。
こうして猿達のの進化への旅が始まる。

そんは本作は流行り物にすぐ影響されちゃうD3パブリッシャーらしく任天堂の名作『ピクミン』の影響をモロに受けている。開発はPS2のシンプルシリーズではTHE戦車やTHEカンフーでお馴染みのヴァンティアンシステムズ。ピクミンの如く引き連れた原始人の数の暴力でマンモスなどを狩り、障害物を壊していく。

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まぁタイトルは原始人という名前だけど最初はマジで猿。モンキー。可愛い。そんなゲームでプレイヤーはいずれ原始人となる猿を引き連れる群れのボスとなり、原野、地底などのステージを探索して仲間を集め、進化を促す道具を手に入れていくのが本作の目的だ。

本作をプレイするために事前にピクミンもクリアしたが、本作は部隊を引き連れていくビジュアルやシステム、魂が天に昇る死に様はピクミンに近い。
近いけれどピクミンのような分散した指示は出せないし、一度に連れて行ける原始人の数は多くても30人程度とピクミン程多くない。もちろん投げる事も出来ない。本作はシンプルにプレイヤーについてくる原始人達と常に行動を共にすることになる。

序盤の目的としてはマップに点在する、木材や石を集めて集落のレベルを進化させていき、家やお店などを増やしていく事だ。
こいつら猿のくせに通貨でやり取りしやがるぜ!
だんだんと原人たちの資本主義社会が形成されていくのがなんとも面白い。
そして戦いで死んでいった原始人のために墓も用意されており、墓標がどんどん増えていくのはなかなか心にくるぞ。

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そしてマンモスや恐竜たちとのバトルも熱く。ピクミンには無い隊列を切り替えて槍や斧、弓といった武器で上手に戦うのもピクミンには無い面白さだ。もちろん謎解きもあったりするぞ。しかもこの隊列のおかげでちゃんとプレイヤーに原始人たちがついて来てくれるので嬉しい。原始人はピクミンより数は少ないが賢いぞ。
そして本作にはピクミンで最も縛られるであろうあのシビアな制限時間が無いので、ユルく探索、狩猟が出来る。(しかしちゃっかりリアルタイムな昼夜の概念があったりする)

震える超展開

ステージの探索を進めれば連れていける原始人の最大値を増やしていく事が出来るのだが、ここまで来るとこのゲームがピクミンリスペクトという事を徐々忘れてくる。
更に進化していくことでだんだん猿の面影がなくなり、立派にヒューマンな原始人達に可愛さが無くなる頃の終盤は、まさかのゼノギアスを思わせる超展開に。

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「野暮だけどマンモスや恐竜がいる時代に原始人がいるなんておかしいな」と思っていたが、ちゃんとそれが伏線として生きてるなんて思わなかった。ここまで来ると感動は本家ピクミンを超えるものになってるぞ。なんでシンプルシリーズなのにストーリーまでこんなに深いんだ!なんか作家性強いぞ!
エンディングもマルチエンディングでバッドエンドの最悪感がたまらない!

本作は最後まで飽きずに楽しむことが出来、ボリュームもピクミンより深く、直感的楽しめる操作が嬉しく、制作者達のピクミンに対して「俺たちならこうするね!」という情熱を感じる作り込みに正直圧倒されました。お前ら本当にあのTHE戦車やTHEカンフーやおまカフェを作ったヴァンティアンシステムズなのか!?
そんな訳でシンプルシリーズの中でも屈指の完成度と作り込みを誇るゲームだと思います。オススメです。


DATA

SIMPLE 2000シリーズ Vol.99 THE 原始人
発売:D3パブリッシャー
開発:ヴァンティアンシステムズ
対応ハード:PS2
発売日:2006年4月27日
ジャンル:リアルタイムシミュレーション


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