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最高の一杯を【 VA-11 Hall-A 】(PS4)

どんなに未来でどんなにテクノロジーが進歩しても結局人間の欲求は変わらず、酒には抗えない。
悩み、怒り、笑い、泣く。親しい人間には言えない話も赤の他人のバーテンダーには出来てしまう。
そんな彼らの話に耳を傾け、注文通りお酒を出す「サイバーパンクバーテンダーアクション」と銘打つのが本作VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)だ。

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プレイヤーは北米のグリッチシティにあるバー「VA-11 Hall-A」のバーテンダー・ジルとなり来店したお客さんに注文通りお酒を出していく。未来のお酒は5つの液体を組み合わせるだけで様々な味のカクテルに出来てしまう。まぁゲームとしてはアクションとか言ってるが中身はサウンドノベルだ。

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そして始まるのは彼らの生活の断片を切り取った仕事の愚痴や身の上話、色恋沙汰から人生相談。たまには面倒な客だってくる。クールなジルと客たちの話は社会風刺が効いているのものから、ウルっとくるもの、深く考えさせられるような話まで多種多様。
こちらもボーッとお酒を飲みながらプレイすれば、未来の彼らに共感し、どこか自分と重ねて見てしまう事だろう。

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まぁ関係ないけど自分は友人たちにとあるキャラに似てる!と言われ続けていたが、マジで似ていて反論もクソもできなかった。(そういうビジュアルの話ではない)

そしてなんと本作ら遠い異国ベネゼエラ産のゲーム。なのに漂うレトロPCゲームな雰囲気と、日本をリスペクトした可愛らしいキャラクター、そしてアンダーテイル並に日本製と錯覚するようなスラングたっぷりのローカライズには舌を巻く。

僕は本作を一気にプレイせず、毎晩照明を暗くし酒は飲めないので缶ドクペを飲みながら一日分だけ進めるプレイをしていた。
日々の生活、悲しい日もあれば、嬉しい日もある。それはこのゲームのジルも同じだ。彼女の人生にもそして客たちの人生にもそんな日がある。
本作は色んな感情がひしめき合う世の中に少しだけ寄り添ってくれる極上の人間賛歌だ。


DATA

Va-11 Hall-A ヴァルハラ
販売:PLAYISM
開発:Sukeban Games
発売日:2016年
対応ハード:PS4、Steam、Vita、WinPC
ジャンル:サイバーパンクバーテンダーアクション
公式サイト:https://playism.com/game/va11halla/



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん