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カルチャー伝承

私の子供の頃はラジオ寄席が盛んでした.落語を聞いて何でも自然に覚えました.小言辛兵衛が借家を申込むときの口の利き方を教える.借金の仕方も断り方も,悔やみの挨拶も覚えました.極道息子は逆説的に親孝行を教える.本物の歌舞伎は見ていないのに,パロディで忠臣蔵や義経千本桜を先に覚えてしまう.
祖母と一緒に近所の芝居小屋で,清水の次郎長を見たりもした.自然に,老人から若者へのカルチャーの伝承ができ,共通のプラットフォームがあった.今は,世代間のコミニュケーションがない.

時代とともに物事の解釈が変化する,という考察はなるほど面白い.
NHKの“21世紀に残したいふるさとの言葉”という番組(1999~2000年)を,よく聞いていました.方言から地域の繋がりなどもわかりなかなか面白いものだ.

言葉は時代とともに,また,地域の交流とともに変化をする.変化するのは自然のなりゆきだが,国語を守ろうという学校の努力もあります.言葉が変化せず心も変化せず共通のプラットホームが持てるのは,文化の伝承に必要なのことですが,最近,言葉のニュアンスが通じなくなっており,私は腹を立て喧嘩をしてしまうことがある.「丸いお餅も切り様で四角、物も言い様で角が立つ」などと言うことは,学校では教えないだろう.

昔の映像がNHKで放送される.集団就職で都会に来た来た若い女性だ.びっくりするほど美しい敬語を使う.発声が違う.声イントネーションが違う.時代とともに声の質がこんなに変わるものなのかと思う.

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