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「タコハイ」を徹底的に深掘ってみた

「……タコハイ??」

テレビを見ながら、思わずそう呟いた。
CMに出ている田中みな実も、「これはなんなのだ?」みたいな顔をしている。

サントリーが新たに発売したRTDである「こだわり酒場のタコハイ」。なんでも、「タコハイ」自体はかなり昔に発売された商品で、新しくこだわり酒場シリーズとして売り始めたらしい。味はもちろんオクトパスのそれではなく、ほのかに柑橘の香りがするプレーンサワーそうだ。

なるほどなるほど。

そうか。

……で、「タコ」はいったい何処から??

サントリーの公式サイトを訪ねてみると、以下の回答を得られた。

「タコハイ」とはどういう意味ですか?

お客様により良い晩酌時間をお届けしたい、という開発チームの想いから、『こだわり酒場のタコハイ』には「多幸ハイ⇒タコハイ」という意味を込めています。

サントリー公式サイトより

うーん、なんだか、わかるようでわからない。「お客様により良い晩酌時間をお届けしたい」なんてのは全ての商品がそうだろう。プレーンサワーに多い幸せがあるとは思えない(むしろ一幸)。多幸(タコウ)をタコと読むのはいささか強引である。

そして何より、解答としておもしろくない。

どうせ音の響きと、その場の「タコでええやん!」みたいなノリで決まったのだろう。なんて悪態をつきたくもなる。

そこで、実はタコハイにはこんな由来があったのではないか?という、無意味な考察をやってみようと思う。

可能性①:タコ(海の生き物)ハイ

まず考えられるのが、海の生き物の蛸から取った可能性だ。タコと聞いてこれ以外が先に思い浮かぶことはない。ということで、蛸から連想されるものをいろいろと挙げてみる。

・8本足
・吸盤がある
・墨を吐く
・壺に入る
・淡白な味わい
・ツウが頼む寿司
・たこ焼き

このあたりだろうか。タコ足配線なんてものもあるが、あれは8本足の派生系だろう。

「ツウ好み」というのは、いいポイントかもしれない。レモンサワーなどいろいろなフレーバーのアルコール飲料が並ぶ中、プレーンサワーを選ぶ者は間違いなくツウだろう。

というわけで、可能性①:タコ(海の生き物)ハイの場合の説明書きはこちら!

「タコハイ」とはどういう意味ですか?

そんじょそこらの飲料では満足できない舌の肥えたお客様に新たな楽しみをお届けしたい、という開発チームの想いから、『こだわり酒場のタコハイ』には「ツウ好みの寿司ネタである蛸のようなハイ⇒タコハイ」という意味を込めています。

こんな感じで続けていく。

可能性②:タコ(正月に空に揚げる)ハイ

タコといえばの二大巨頭が蛸と凧。

蛸がいけたんなら、凧だって可能性があるだろう。という感じで考えてみる。

凧揚げと聞くと、私は上に揚がるまでの苦労を思い出す。風向きが悪いとなかなか揚がらないし、最初はひたすら走らないといけない。走って、走って、走って、やっと風を捉えたら一気に揚がっていく凧。

このはじめの苦労はプレーンサワーにも通ずるところがあるだろう。甘みが少ないお酒は、はじめはとっつきづらい。ビールなんかがまさに良い例で、飲めなかったところから飲めるようになるまでの過程にも楽しみがあるのがプレーンサワーなのではないだろうか。

というわけで、可能性②:タコ(正月に空に揚げる)ハイの説明書きはこちら!

「タコハイ」とはどういう意味ですか?

やっとビールを美味しく感じられるようになって喜んでいるお客様にもう一度その喜びお届けしたい、という開発チームの想いから、『こだわり酒場のタコハイ』には「凧揚げくらい最初は苦戦するハイ⇒タコハイ」という意味を込めています。

ビールという他の飲料を説明に使った時点で負けなのかもしれないが……

可能性③:タコ(「高い」の関西弁)ハイ

関西ではたまに、「高い」のことをタコと言う。

「東京行くのに、飛行機なんて乗ったらタコつくで。」

なんていう具合だ。小さい頃は、なぜ生き物のタコがつくのか?吸盤があるから?なんて思ったこともあった。

では、その「高い」のタコだったとして、プレーンサワーの何が高いのだろうか。値段は他とさほど変わらないし、缶の全長も他とさほど変わらないし、新米だから地位も高くないし、音程は関係ないし。いったい、何が高いのだろうか。

もしかしたら、格調高いのタコなのでは……?

シンプル・イズ・ベストという言葉がある。何事も洗練されていった結果、行き着くのは雑味を削ぎ落としたシンプルなものだ。そういう意味で、プレーンサワーとはシンプルで格調高いサワーと言えなくもない。

というわけで、可能性③:タコ(「高い」の関西弁)ハイの説明書きはこちら!

「タコハイ」とはどういう意味ですか?

どの飲料がベストなのかを追い求めてシンプルという答えに行き着いたお客様に引き算の境地をお届けしたい、という開発チームの想いから、『こだわり酒場のタコハイ』には「格調高いシンプルなハイ⇒タコハイ」という意味を込めています。

とはいえ、関西弁が急に出てくるのも変な話である。

可能性④:タコ(罵倒としての)ハイ

これも関西弁なのだろうか。お笑い芸人、霜降り明星の粗品さんがよく言う「ハゲタコ!」のように、タコを罵倒する語として用いることがある。

しかし、この場に罵倒される人間などいるのだろうか。自らの責任を放棄し、仕事をサボり、遊び呆けているような人間が……

……まさか、開発チーム?

よく考えてみれば、レモンやグレープフルーツなど様々なフレーバーのチューハイが並ぶ中、プレーンなサワーを売り出すなんて。逆転の発想に見せかけた手抜きではなかろうか。きっと、

「客はどうせ味など分かってない。語呂のいい商品名をつけておけば勝手に買ってくれるはずだ!』

なんて甘い考えで売り出したのだろう。そうに違いない。

というわけで、可能性④:タコ(罵倒としての)ハイの説明書きはこちら!

「タコハイ」とはどういう意味ですか?

フレーバーなんてつけなくてもお客様は買ってくれるだろう、なんて馬鹿なことを考えてしまった開発チームの反省から、『こだわり酒場のタコハイ』には「いい加減な仕事をしたタコ野郎のハイ⇒タコハイ」という意味を込めています。

自戒としてのタコ。なくはないかも。

結論

ごちゃごちゃと可能性を並べてみたが、結局は「タコ(多幸)ハイ」が一番いいのかもしれない。タコウなことくらいは目をつぶろう。


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