白川 侑

会社員(休職中)。珈琲・小説・詩・短歌・お笑い・アイドル・カレー・散歩を好みます。禁酒…

白川 侑

会社員(休職中)。珈琲・小説・詩・短歌・お笑い・アイドル・カレー・散歩を好みます。禁酒中です。服装のセンスが終わっています。

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人生が、足りていない。|小原晩『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』

 人生が、足りていない。そう思わされた。  筆者の小原晩さんは、1996年生まれだそうで、この本の初版が2022年3月5日。誕生日までは存じ上げないので、26歳の時にこの本を書かれたとする。  まだ何者でもないわたしは、もう24歳になってしまった。つまり、あと2年でこの本を書かなければならない。  人生が、足りていない。  エッセイなんかの生活を元にした表現は、生きてきた人生のポイント貯蓄に依存していると思う。そのポイントが、表現を行うのに足りているか足りていないか。

    • わかって楽しい、わからなくて楽しい|entaku『うれしいすぎるよ展』『そういうことじゃないんだよ展』

       あるあるを見て「あるある!」と言うのは、いつだって楽しい。  でも逆に、他の人が「あるある!」と言っているあるあるがわからなかった時。これも楽しいと思えた展示だった。  少し前に『いい人すぎるよ図鑑』を読んでから同シリーズの展示会に行くことが憧れで、やっと足を運ぶことができた本日。しかも2種類の展示会が同時開催ということで、告知を見かけたときには、思わず10年ぶりのスキップが出てしまった。  (わたしが行った展示は大阪会場のものです。もし東京・名古屋と内容が違っていた

      • 短歌 連作風12首『World Wide Web』

         X・TikTokで開催されていた、#ネット歌枕 という企画に参加していました。  ネット文化に最も浸かっていたのは、高校生の頃だった気がします。2chやニコ動など、今よりもくらいインターネットが賑わっていて、その淀みならではの魅力がありました。最近でもX上でのバズやミームも多数生まれていますが、淀みを楽しむのではなく正論で斬るような風潮もあり、かつての高揚は感じにくくなったような気がします。  #ネット歌枕 に参加しながらたくさんの歌人のネット短歌を読んでいると、どよど

        • 短歌 連作10首『宇宙まで400km』

           短歌を詠むようになって、はじめての連作です。  国際宇宙ステーションは地表から約400kmの上空に浮かんでいて、それが東京大阪間くらいの距離と知り、遠距離恋愛の短歌を詠んでみました。  大阪住みの私からしたら、東京は意外と遠いし、宇宙は意外と近いです。 テキスト 「さみしい」の4文字をすぐ取り消してごまかすために送る「おやすみ!」 落ちるっていうより落ち込むといったような感じで君に恋する (会いに行く時はテストのスピードで時間が過ぎる)もう品川か ハッピーで埋

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          はじめの短歌10首

           3日ほど前から短歌をはじめました。  まだまだ初心者中の初心者なので、先人たちの歌集やSNS投稿なんかを見ながら、日々詩作に取り組んでいます。  とりあえず、10首作ってみたところで、まとめて公開してみようかと思います。  連作ではなく単に集めただけですが、いつか私が歌人になったとき、青田買いしていてよかったと言ってもらえるように。 テキスト はなびらと場所取り役がスプラトゥーン ピンクの勝ちかブルーの勝ちか 吐瀉物が流れる高瀬川沿いでしらんぷりして佇む桜 生

          はじめの短歌10首

          健康的な「推し活」のために

           「理性なき愛執は悪」という言葉を聞いてから、節度あるファンでいられるように心がけている。  先日、とある芸人さんのファン(以下Sさんとする)によるnoteが話題になっていた。軽く内容を紹介すると、  「ある芸人さんにガチ恋していたが、彼らについて独善的な批判投稿を繰り返したことで、本人や他のファンから嫌われてしまった。また限定コミュニティで推しへの愛を語っていたところ、フォロワーにセクハラとして告発され、推しからSNSをブロックされてライブも出禁になりかけた。」  と

          健康的な「推し活」のために

          余韻沁沁|ダウ90000『30000』

           頭の中で思い描いていた下北沢は、古着と劇場と香辛料の街でした。  初めて訪れた下北沢は、想像以上に古着と劇場と香辛料の街でした。  3/30(土)。ダウ90000さんのコント単独『30000』を見てきました。  ダウ90000さんのコントはテレビやYouTubeで観たことはあるものの、劇場で観るのは初めて。公演中はネタバレを避けるべく感想を書いたりするのは控えていたのですが、千秋楽を迎えた今、少しだけあの一日のことを呟かせてください。  『30000』がある一日は、

          余韻沁沁|ダウ90000『30000』

          KPOPの4大事務所でいろいろ分類してみた

          韓国を代表する4つの音楽事務所、HYBE・SM・JYP・YG。 KPOPが世界的なカルチャーにのしあがった昨今では、KPOPファンでなくとも、これらの事務所の名前を耳にすることがあるかもしれません。 この4大事務所。それぞれが輩出しているアーティストが、けっこうわかりやすい特徴を持っています。KPOP好きからしたら「何を今さら……」というようなお話かもしれませんが、ざっくり説明するとこんな感じです。 補足すると、HYBEは一概に言い表すのが難しいので、Dynamite以

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          生活 with 音楽.

          私の生活は音楽とともにある。 外出する時、必ずイヤホンをつける。無音の時間が苦手で、常に音楽がかかっていないと落ち着かない。私の体質なのかもしれないが、ぼーっとしていると細々した思考が頭を埋めつくす。無でいられることがなくて、それに疲弊する日々。でも、音楽が流れている間は、音楽が思考を止めてくれる。脳がクリアになる。音楽を聴いている時が、いちばん静か。 ランニングをする時なんかも、もちろんイヤホンをつけて音楽を聴いている。私はなにごとも形から入るタイプなので、「たまにはラ

          生活 with 音楽.

          ながいながいながい春休み(2024年3月の日記)

           2024年3月の日記です。皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか。  時間は、あればあるほど進みが遅くなります。仕事を休職すると決めたのが、ここ数年の私にとって一番大きな出来事でした。うつは完全回復はしていなくて、引き続き療養中です。休み始めた当初は、ベッドから全く起き上がれないような日々が続きました。目は覚めていて、むしろ全然眠れないくらいなのですが、体が動かない。iPhoneのスクリーンタイムが伸びるだけの毎日です。そんな日々を越えて、薬を飲み、好きな映画を観たりや本を

          ながいながいながい春休み(2024年3月の日記)

          「タコハイ」を徹底的に深掘ってみた

          「……タコハイ??」 テレビを見ながら、思わずそう呟いた。 CMに出ている田中みな実も、「これはなんなのだ?」みたいな顔をしている。 サントリーが新たに発売したRTDである「こだわり酒場のタコハイ」。なんでも、「タコハイ」自体はかなり昔に発売された商品で、新しくこだわり酒場シリーズとして売り始めたらしい。味はもちろんオクトパスのそれではなく、ほのかに柑橘の香りがするプレーンサワーそうだ。 なるほどなるほど。 そうか。 ……で、「タコ」はいったい何処から?? サント

          「タコハイ」を徹底的に深掘ってみた

          他人事とは思えなかった|川上未映子『黄色い家』

           私は、今の今まで、自分が「ちゃんと」生きてこれたのは普通のことだと思っていた。裕福ではないが貧乏でもない家庭で育ち、大学まで学校に通い、地元の会社に入社したごく一般的な人生。もちろん、そうできない人がいることを知っているし、可能であれば力になりたいとも思う。しかし、花たちを見ていると、自分はきっと経験するようなことではなかったのに、不思議と「あり得たかもしれない」人生の一つのようにも思えてくる。たった一つ、小さなことでつまずいただけで、転がり落ちてしまうような斜面の上で私た

          他人事とは思えなかった|川上未映子『黄色い家』

          「前から失礼します」じゃないんですよ。

           やさしさとは、何なのだろうか。  体感ではシベリアくらい寒い一月の大阪で、仕事をしながらそんなことをずっと考えていた。ずっと考えていたから、仕事の進みはびっくりするほど悪かった。だから、仕事帰りにSTARBUCKSに立ち寄った。「終わり良ければ全てよし」という言葉がある。私は、どんな日であれ、その一日をどのように終えるかに細心の注意を払っている。仕事に集中して良い進捗を生めた日は、その余韻で一日を締めたいからさっさと帰ってさっさと寝る。仕事があんまりだった今日のような日は

          「前から失礼します」じゃないんですよ。

          止まれただけよかったのかもしれない。

           突然のことで、自分でもまだ全てを理解できてはいない。  毎週水曜日、13:00から始まる定例会議の最中。耳から仕事の話が頭に入ってくるたびゾワっと悪寒が走るようになったのが、二週間と少し前のことだった。「体調、大丈夫ですか?」と心配してくれる後輩に、「なんでもない、ちょっと疲れてるのかな」と返して、その日は早めに帰宅した。家に帰るとそのゾワゾワに襲われることはなかったので、寝たら大丈夫だろうと思っていた。  次の日、私は急に仕事ができなくなってしまった。目は覚めているの

          止まれただけよかったのかもしれない。

          モラトリアムモラトリアムモラトリアム(2024年2月の日記)

           2024年2月の日記です。皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか。  大学時代に読んだ『四畳半神話大系』を久々に読み返そうと決意したのですが、学生時代とは違う日々の忙しさに振り回され、読み終えるのに1ヶ月弱もかかりました。その次に読み始めた『シャーロックホームズの凱旋』は、さくさくっと3日間ほどで読了。結果、この2月はほぼ丸ごと森見登美彦の思考に影響された1ヶ月になりました。ひええ。森見登美彦を読むと、いつでも腐れ大学生だったあの頃に引き戻されるような感覚がします。特に四畳

          モラトリアムモラトリアムモラトリアム(2024年2月の日記)

          いい人だったらしい|明円卓、佐々木日菜、真子千絵美『いい人すぎるよ図鑑』

          SNSで話題になっていた『いい人すぎるよ展』。 行ってみたいと思った頃には、時すでに遅し。 東京会場は2023/12/4に終わっており、ギリ大阪から行けそうな愛知会場も2024/1/14に終わっていました。大阪会場は無し、悲しい。ちなみに東京会場のくだりで予測変換の第一候補が東京海上だったことは言うまでもありません。 SNSで『いい人すぎるよ展』のレビューが流れてくるたび、どの展示にも心惹かれるものがあって気になっていました。やっていることは究極の"あるあるネタ"で、し

          いい人だったらしい|明円卓、佐々木日菜、真子千絵美『いい人すぎるよ図鑑』