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照柿色があざやかに

毎朝、私はカーテンを開け、窓を開け、外の様子を見る。
晴れた日には遠くに富士山が見える。そんな日は本当にうれしくなる。
私の部屋は駅から数分の場所。それなのに窓を開けると正面に
こんもりとした大きな木が見える。その高さは4階建てよりも高い。
最近はすずめは見なくなったけれど、この辺りはまだまだ野鳥が多くいる。
窓をあけるとうるさいほど鳥が鳴いていたりする。
大きな木のそばの柿が、いつのまにか色づいてたわわに実っていた。
いきなり秋の景色になり、心をゆさぶられる。

先月、「反省会」の記事をアップしてからまた遠ざかり、
これが10月4本目の記事。なんだか10月は忙しかった。
夏の時期よりも時間が速く感じられるのは、季節のせいか、歳のせいか。

  秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる

中学のときにおぼえた短歌が秋口になるといつも思い出される。
でも、今年はいつまでたっても夏日が続き、
10月半ばを過ぎても半袖で歩く人が多くいて、
なかなか秋にならないなあと思っていた。
「柿」は晩秋の季語。
どんなに季節が狂おうとも、植物たちはその季節を忘れない。
伝統色「照柿色」が私に鮮やかな秋を見せてくれた。


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