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入院生活とラジエーションハウス②

 私は手術ができないということで、入院前に放射線療法の説明を受け、準備検査をすることになった。担当の唐澤先生はとても物腰のやわらかい方で、最初にこんな話をしてくださった。
「日本人は放射線治療というと嫌がる人が多いんだけど、欧米では放射線
 療法で治療することが多いのよ」
 続けて、
「放射線療法の利用率が先進諸国中で最も低いのが日本で、患者が放射線
 療法のメリットを享受していない」
と嘆かれていた。先生のこの説明を聞いたのは今から4年前のこと。
 現在、ネットで検索すると、日本で放射線治療をした患者は2~3割(予測)なのに対し、アメリカでは66%、ドイツでは60%、イギリスでは56%という数字が出ている(こちらは2021年のデータ)。
 放射線治療は臓器の形態や機能を温存することができ、副作用も少ないため患者にとって体の負担が少ない治療法だという。私はこの入院生活後に、同じ子宮頸がんで手術をした友だちと話をすることがあった。彼女は術後10年経った今でも後遺症が残っていて大変そうだった。

 話を4年前に戻そう。これから私の入院生活で始まる放射線療法は、決められた量を少しずつ照射し、病気の細胞を選択して死滅させ、正常の細胞は守るというもので、おおよそ数週間かけて治療が行われる。
 私の治療計画は以下のとおり。

  診断名「骨盤腫瘍:子宮頸がん」 進行度:Ⅱb期
  治療計画   3月13日~4月26日頃
  照射部位   骨盤リンパ節 子宮付属器
  外部照射線量 1回1.8グレイで28回、計50.4グレイの予定
  膣内照射   4回、計24グレイの予定

 私は入院初日から早速、放射線照射(radiation therapy)を開始することになった。
 記録を見始めたら、書くことがいっぱいあることがわかったので、この続きはまた来週!


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