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ファイトケミカルっていろんな意味で大丈夫?

lady's&gentleman、andおとっつぁんおっかさん。
皆様おはようございます。
おこんにちは、おこんばんは。

栄養を学ぶ上で、ファイトケミカルという単語を聞いたことはありませんか?
ほら、よくある栄養補助食品のCMや、MLMのサプリメントに含まれていたり、お茶の間のテレビ番組に定期的に出てくるあの単語です。
ですが、その存在を認められたのは以前の記事

に少し触れたとおりです。
つまり、詳しく知られていないのが実情であり、効果や体感は確信が持てる、摩訶不思議な存在と言っても過言ではありません。

ではなぜそんなものを人は平然と服用するのか?
サプリメントで摂る必要があるのか?テレビの謳い文句は大丈夫か?
等を含め、『ファイトケミカルっていろんな意味で大丈夫?』と題してお話していきます。
はいレッツゴ‼‼


ファイトケミカルとは

ファイトケミカル(phytochemical、植物性化学物質)は、植物が捕食者や病原体から身を守るために生成する化合物です。
名前はギリシャ語のφυτόν(フィトン)「植物」に由来します。
ファイトケミカルの中には、毒薬として使われるものもあれば、伝統薬として使われるものもあります。
例えば、ベラドンナのトロパンアルカロイドは毒薬として使われ、初期の人類はこの植物から毒矢を作ったそうです。
古代ローマでは、クラウディウス帝の妻アグリッピナが毒薬専門の女性ロクスタや、夫のアウグストゥス帝を殺害するために使用したと噂されるリウィアの助言を受けて毒薬として使用したようです。
古代においては、身近に使われていたようですね。

ファイトケミカルは、一般的に健康への影響が確立されていない研究中の植物性化合物を指す言葉として使用され、必須栄養素(体内で生成できず健康のために食事から摂らなればならない栄養素)ではありません。
また、健康的な食事の効果が、特定の栄養素やファイトケミカルによるものであるという証拠は限られている状態です。
業界では、食品や栄養成分表示におけるファイトケミカルに関する健康強調表示を制限または抑止するためのガイダンスを設けています。

ファイトケミカルは、植物が一次または二次代謝によって生産する化学物質です。
一般的に植物体内で生物活性を持ち、植物の成長や競争相手、病原菌、捕食者つまり虫や動物、もちろんヒトに対する防御の役割を果たします。

ファイトケミカルは、健康への影響の証明がまだ確立されていないため、一般的に必須栄養素ではなく、研究用化合物とみなされているようです。
研究中のファイトケミカルは、フェノール酸、フラボノイド、スチルベンまたはリグナンを含むカロテノイドおよびポリフェノールのような主要なカテゴリーに分類することができます。
フラボノイドは、アントシアニン、フラボン、フラバノン、イソフラボン、フラバノールなどの類似した化学構造に基づいてさらにグループに分けることができます。
フラバノールはさらにカテキン、エピカテキン、プロアントシアニジンに分類されています。
合計で5 - 13万のファイトケミカルが発見されています。

植物化学者は、まず原植物から化合物を抽出・単離し、次にその構造を決定したり、細胞株を用いた試験管内での試験や、実験動物を用いた生体内での研究などの実験室モデル系で試験することにより、ファイトケミカルを研究しているようです。

また、アスタキサンチンのように食物連鎖で魚に多く取り込まれているものなどもあり、必ずしも植物からしか摂取できないわけでもないようです。

ファイトケミカルの機能

ファイトケミカルのカテゴリーには、植物に自然に含まれ、正常な生理機能に必要であるため、ヒトでは食事から摂取しなければならない必須栄養素として認識されている化合物が含まれています。

いくつかのファイトケミカルは、ヒトに対して有毒な植物毒であることが知られています。
例えば、アリストロキア酸は低用量で発がん性があようです。
ファイトケミカルの中には、栄養素の吸収を阻害する抗栄養素もあります。
また、ポリフェノールやフラボノイドのように、多量に摂取すると酸化を促進するものもあります。
喫煙者がβ-カロテンを多量に摂取した場合はがんのリスクが増すことが示されているようです。

植物性食品に含まれる難消化性食物繊維は、ファイトケミカルとみなされることが多いですが、現在では一般的に、ある種のがんや冠動脈性心疾患のリスクを低減するという健康強調表示が承認された栄養素群とみなされています。

果物、野菜、穀物、豆類、植物性飲料を多く含む食事は長期的に健康に有益ですが、植物から抽出された非栄養素フィトケミカルのサプリメントを摂取することが同様に健康に役立つという証拠はないようです。

ファイトケミカルの種類

種類はおおまかに以下の通りです。

・ポリフェノール(polyphenol)は複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を分子内に持つ植物成分の総称です。
ほとんどの植物に含有され、5,000種以上ある。光合成によってできる植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを持ちます。

・有機硫黄化合物(ゆうきいおうかごうぶつ)とは硫黄原子を含む有機化合物の総称です。
有機硫黄化合物に分類されるものは多岐にわたるが、一般的に不快な臭気を持ち、糖鎖(炭水化物の鎖)や硫黄の化合物を含む生物が生長するときの老廃物として、あるいは腐敗する際に自然に生成されます。

・テルペノイド(Terpenoid)とは五炭素化合物であるイソプレンユニットを構成単位とする一群の天然物化合物の総称です。
植物性テルペノイドには抗菌性や抗腫瘍性があり薬草治療によく用いられ、他の薬理作用の研究もなされています。

・糖関連化合物は、炭素、水素、酸素を主成分とした有機化合物の一種です。生物にとって重要なエネルギー源であり、構造材料やシグナル伝達分子としても機能します。

・長鎖アルキルフェノール誘導体(ちょうそうアルキルフェノールゆうどうたい)は、フェノール類の一種で、フェノール環に長いアルキル基が結合した化合物です。
代表的な化合物として、カプサイシンやショウガオールなどが挙げられます。

まとめ

ざっくりとお話させていただきましたが、要約すると、
『植物の味が栄養素である』
というか、
『植物の毒が人の栄養素である』
ということです。
ですので、
ファイトケミカルは摂りすぎなければ大丈夫!
と言えるでしょう。
効果効能については、いまでも研究中ということですので、
ファイトケミカルは抽出したものではなく、
その植物そのものを摂取することが望ましいようです。
ですが、昨今の野菜の栄養価事情を考えてみると、
算出できる栄養素が減っているという話を多く聞かれると思います。
その厳密な資料の出どころはどこなのか?
また、ファイトケミカルは算出できるのか?
といった内容についても色々考えないといけないことが多いです。
実は、この問題こそが『農薬と肥料』にかかわることなのです。
次回『農薬と肥料と野菜の三角関係は成立するのか?』と題して、
絶対誰も読まない内容を作成します。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
また次回、お逢いしましょう。
See you next.

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