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『運動』と『筋トレ』を混同すると、どうなるか?

lady's&gentleman、andおとっつぁんおっかさん。
皆様おはようございます。
おこんにちは、おこんばんは。

『運動』=『筋トレ』
世の中にあふれている常識の一部として、この公式が成立する方々の存在を確認しています。
ですが、『運動』と『筋トレ』の明確な境目を明言できる方々は、
『運動』と『筋トレ』をどう差別化しているのか、ご存じでしょうか?
そもそも論として、『運動』とは?『筋トレ』とは?
を明確に差別化して、処方や指導をしているのか?
今回は、『運動』と『筋トレ』を混同するとどうなるか?について、
お話していきます。


運動とは?

まずは運動の定義として、日本では『身体活動』という言葉の一環であるそうです。
身体活動は、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費するすべての動作のことを指します。
また、身体活動は大きく運動と生活活動とに分けることができます。
『運動』は、身体活動のうち、体力の維持や向上を目的として、計画を立てて、継続的に行う活動を指します。
一方、『生活活動』は、ごく普通に日々行っている労働、家事、通勤・通学など日常生活上の体の動き一般を指します。
つまり、身体活動=運動+生活活動という関係になります。

また、WHOではガイドラインとして、下記の項目を提唱しています。
1、身体活動は心身の健康に寄与する。
定期的な身体活動は、世界の死亡者数の4分の3近くを占める心臓病、2型糖尿病、がんといった疾病の予防・管理に貢献する。 
また、身体活動は、うつや不安の症状を軽減し、思考力、学習力、総合的な幸福感を高める。
2,少しの身体活動でも何もしないよりは良い。 多い方がより良い。
健康と幸福のために、少なくとも、成人では週に150~300分の中強度の有酸素性の身体活動(または、それと同等の量の高強度の有酸素性の身体活動)が、子どもや青少年では 1日平均60分の中強度の有酸素性の身体活動が推奨される。
3,すべての身体活動に意味がある。
仕事やスポーツ、余暇、移動(ウォーキング、スケートボード、サイクリング)だけでなく、日常の生活活動や家事も身体活動に含まれる。
4,筋力強化は全ての人の健康に役立つ。
高齢者(65歳以上)は、転倒予防と健康増進のために、筋力の強化だけでなく、バランスと協調(身体の各部位を調和して思い通りに動かせる能力)を重視した身体活動を取り入れるべきである。
5,座りすぎで不健康になる。
座りすぎは心臓病、がん、2型糖尿病のリスクを高める。座りっぱなしの時間を減らし、身体活動を行うことは健康に良い。
6,身体活動を増やし、座位行動を減らすことにより、妊娠中および産後の女性、慢性疾患のある人や障害のある人を含むすべての人が健康効果を得られる。

さらに、運動の可能性と最近流行りのSDGsについての提案もなされています。

『世界の人々がより活動的になれば、年間400万~500万人の死亡を回避できる可能性がある。
国際的なガイドラインは、各国がエビデンスに基づいた国の健康施策を策定し、WHOの身体活動に関する世界行動計画2018-2030を推進することを支援できる。
身体活動を促進し、座りすぎを減らすための政策への行動と投資は、2030年の持続可能な開発目標(SDGs)、特に「すべての人に健康と福祉を(SDG3)」、「住み続けられるまちづくりを(SDG11)」、「気候行動に具体的な対策を(SDG13)」、さらには「質の高い教育をみんなに(SDG4)」などの達成に貢献することが可能である。
"EVERY MOVE COUNTS" ちょっとした身体活動にも意味がある。
中強度の活動をすると心拍数が上がり、呼吸が速くなる。
高強度の活動をすると、呼吸が荒く速くなる。
自宅でもジムでも、筋肉を鍛える方法はたくさんある。』

つまり簡単に言うと、
『少しでもいいから身体を動かすこと』を『運動』という
と言っても過言ではないようです。

筋トレとは?

対して『筋トレ』の定義は、厚生労働省が2023年に下記の通り解説しています。
『筋力トレーニング(筋トレ)とは、負荷をかけて筋力を 向上させるための運動であり、自分の体重を負荷として 利用する自重トレーニング(例:腕立て伏せやスクワッ ト)やウエイト(おもり)を負荷として利用するウエイ トトレーニング(例:マシンやダンベルなどを使用する 運動)があります。』
とのことです。
さらに
・特定の部位を重点的に鍛えるのではなく、胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行いましょう。しっかり筋肉に負荷をかけることで、筋肉はその負荷に適応していきます。
・日常生活レベル以上の負荷で筋トレを行い、少しずつ負荷を高めていくことが重要です。負荷は重さや回数で調整可能です。また、しっかりと筋肉を休める時間(休息日)をとることも同じく重要です。
・筋肉は年齢に関係なく鍛えることができます。特に、高齢者は筋力が低下しやすいため、筋力の維持・向上に努めましょう。

混同しているケースとは?

よくあるケースとしては、
『筋トレしか推奨しない』というか、『筋トレしかできない』
といった方々が散見されてます。
・負荷をかける事に重点を置きすぎている方
・休むことを指導できない方
・適正なレストタイムを設けない方
・自分の経験を基に指導している方
etc…
つまり、明確に違う『運動』と『筋トレ』の説明が出来ない方が多いので、
お客様の望む結果に最短で適切に導く事が出来ないというのが、ほとんどのケースです。
この場合、何が起きるか。
簡単にまとめると、
・ケガ
・結果の出ない時間とお金の消費
・理想だけ語って意欲を搾取する
・『できないのはあなたの責任』と責任転嫁
・『やりましょう』が『やってください』と押し付けてくる
etc…
お客様を自分の都合に合わせるようにコントロールしてきます。
せっかく変わりたい意欲を自発的に行動してきたのに、
いつの間にか指導する側の都合にあわせてしまっているのです。

実際にどうすればいいか?

では現実問題どうすればいいか。
実は『運動』と『筋トレ』には指標があります。

自覚的運動強度RPE(rate of perceived exertion)

自覚的運動強度(RPE)とは,運動時の主観的負担度を数字で表したもので,Borg Scaleが代表的です。
Borg Scaleは,数字を10倍するとほぼ心拍数になるように工夫されているが,年齢などにより差異があることに注意が必要です。
6 –まったく運動せず、リラックス
7 –非常に軽い
8
9 –とても軽い
10
11 –軽い
12 –中程度
13 –やや難しい
14
15 –難しい
16
17 –とても難しい
18
19 –非常に難しい
20 –最大運動
この中で12か13を狙う事が推奨されています。
この場合、トレーニング中に会話をして、お客様の体感を聞きながら客観的に評価することが大切です。
ですので、指導する側の主観だけでトレーニングするのは、
お客様のためではなく、指導する側のエゴと言えます。

そして、トレーニングには原理原則があります。

トレーニングの原理原則

3つのトレーニングの原理
「過負荷の原理」
ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られないということです。
その強度の最低ラインは、日常生活の中で発揮する力以上の負荷です。
ただし、低体力者や高齢者が筋力や筋量の維持を目的とする場合は、この原則に必ずしも従う必要はありません。
「特異性の原理」
運動中のエネルギーの使われ方や筋肉の活動の仕方と関係する能力が増加することです。
わかりやすくいうと、短距離走のトレーニングをすれば短距離は速くなりますが長距離は速くなりませんし、脚のトレーニングをすれば脚のパフォーマンスは高まりますが腕のパフォーマンスは向上しないということです。
「可逆性の原理」
せっかく獲得した効果も、トレーニングを中止すると失われてしまいます。
ですので、定期的に実施することをお勧めします。

6つのトレーニングの原則
「意識性の原則」
トレーニングの内容・目的・意義をよく理解し、積極的に取り組むことです。
トレーニングの目的は何か、プライオリティは何かを意識して取り組むことが重要です。
「全面性の原則」
有酸素能力・筋力・柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることです。
筋力トレーニングについていえば、全身の筋をバランスよく鍛えること、大筋群を優先して実施することなどです。
「専門性の原則」
競技や健康づくりなど目的にあった機能(筋力・筋パワー・筋持久力・有酸素能力・柔軟性など)を優先的に高めていくことです。
健康づくりでは有酸素運動と大筋群の筋力トレーニング・ストレッチング、競技種目ではその運動で使われる筋群を実際の活動様式(スピードが必要なのか持久力が必要なのか)に合わせて行います。
「個別性の原則」
トレーニングの実施内容を個人の能力に合わせて決めるようにします。
これは効果を得るばかりでなく、安全のためにも極めて重要なことで、ひとりひとりの能力を細かく見極める必要があります。
「漸進性の原則」
体力・競技力の向上に伴って、運動の強さ・量・技術課題を次第に高めていくことです。
いつまでも同じ強度の繰り返しではそれ以上の向上は望めません。定期的なプログラムの再検討が重要になります。
「反復性・周期性の原則」
運動プログラムは、ある程度の期間、規則的に繰り返すようにします。繰り返し行うことは、テクニックを上げるための重要な要素です。周期性の原則は、1年間を通したトレーニング計画を行うことです。
どの時期が最も効果的かを考えてプログラムを作成します。

ということです。
短絡的に通り一辺倒な考え、自分の経験だけで指導している方は、
いろいろと尻すぼみになっていますので、必要な情報はしっかり収集しましょう。
実際にこれらをお客様に意識させずに活用している方も、一定数いますので、様々な方のお試しトレーニングを受けることを、お勧めします。
違いの分かる指導者は、一定数存在しています。

まとめ

『運動』と『筋トレ』は似て非なるもの。
別物ととらえている指導者は必ず居ますので、
貴方の人生に適切に効果と実感をもたらす方と巡り合う。
そんな瞬間は必ず来ますので、様々な指導者に会い続けましょう。
きっと、今よりも豊かで充実した日々を提供していただけること請け合いです。
混同している方々がほとんどですので、人生に損をする前に、
一歩踏み出しましょう。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
また次回、お逢いしましょう。
See you next.





え?
私?
コントロールすることがメインですが、その代わり望む以上の結果しか出していませんwww

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