#193 宝くじで1億円が当たったら?

「宝くじで1億円当たったらどうしますか?」というあるあるの質問に対し、「すべて銀行に預けて利子で生活する」という冗談があった。

およそ30年ほど前まではこの冗談は通用したのだが、現代ではまったく通用しない。

↑のHPによると、90年代前半まで、一般の市中銀行の定期預金の金利は年間4%~8%で推移していた。例えば、年利6%の定期預金に1億円を1年間預けた場合、600万円(税金が引かれると500万円弱)の利子が受け取れる計算になる。現代の日本人の平均年収が400万円代ということを考えると、利子だけでも十二分に豊かな生活をすることができるだろう。

しかし、バブル崩壊以降の不景気へ対応するための金融緩和政策により、現在の一般の銀行の定期預金の金利は0.003%。普通預金だと0.001%が主流である。年利0.003%の定期預金を行った場合、1年間で貰える利子は3000円(税金が引かれて約2400円)、年利0.001%の普通預金だと1000円(税金が引かれて約800円)である。これでは生活どころか、飲み会1回もままならない。

加えて、普通預金ではATMの利用に100~300円程度の手数料がかかることも多く、夜間や休日などに利用することが多い利用者は、手数料だけで数千円になってしまう場合もある。
現代では利子で生活するというのは夢のまた夢なのだ。上の世代ほど「お金は銀行に預けておけば安心・安泰」と思っている人が多いのだが、その常識は通用しない。投資教育や資産運用熱の高まりにはこのような背景がある。

【目次】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?