#268 日本で一番低い山

日本で一番高い山は標高3776mの富士山。では、日本で一番低い山はどこにあるのだろうか。

実は、日本で一番低い山は決まっていない。
国土地理院は、具体的な山の定義を決めていないため、地域や自治体の「自称」日本一低い山は全国に複数存在する。

①大潟富士(標高0m)
秋田県の八郎潟干拓地にある、標高が0mになるように人工的につくられた山。標高だけで言えば間違いなく日本一低い山である。

②日和山(3m)
国土地理院の地図に載っている中で最も低い山は仙台市にある日和山だ。
かつては約6mの山で、山頂の広場からは太平洋が一望できたが、東日本大震災によって削られ、現在は階段数段ほどの「高まり」となっている。
しかし、地理院地図にはしっかりと日和山の記載がある。

③天保山(4.53m)
日和山が津波で削られる前は、大阪にある天保山が地理院地図記載の山の中では一番低い山だった。
日和山同様、一見山と似つかぬ公園の一角にある天保山だが、三角点(山頂付近におかれることが多い、標高の観測基準となる石)が設置されている。三角点がおかれている山の中では一番低い山である。

④蘇鉄山(6.97m)
三角点にも格式がある。中でも一番高い格式の一等三角点は、全国で973点しか設置されていない(三角点は全国で10万点以上ある)。
一等三角点がおかれているということは、それだけ格式の高い山ということになる。その中で一番低い山が、大阪にある蘇鉄山だ。

⑤弁天山(6.1m)
徳島県の田園地帯にポツンとたたずむのが、日本で最も低い自然地形の山である弁天山だ。山は神社となっており、入り口には鳥居がある。
かつては小島だったようで、海の神様が祀られている。

⑥御山(みやま)(3.6m)
香川県東かがわ市にあるのが御山である。
周辺地域で一番高い場所にあるが、その高さは3.6m。
白鳥神社の境内にあり、とくに周囲と比べて一段と高いわけでもないため、山頂は「日本一低い山」の石碑が目印となっている。
国土地理院の地図には記載されておらず、現在は記載を目指してはたらきかけているようだ。

⑦笠山(112m)
山口県にある笠山は、日本最小の火山として知られている。
10mをきる他の山よりははるかに大きく、見た目もはっきりとした山である。火山としては日本だけでなく世界最小とも言われている。(諸説あり)

このように、日本で一番低い山は、山をどう定義するかによってさまざまな見解がある。

【目次】

【参考】


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