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今、改めて知ってほしい僕たちのこと。〔伝えるべきことがある〕

私はネクタイ縫製職人です。

数年前まではメーカーから受注したネクタイを仕立てるだけの仕事をしていました。いわゆる田舎の小さな下請け工場という立場です。

そんな中で2015年に自身でオリジナルブランドを立ち上げました。

それがネクタイブランドSHAKUNONE'です。

・前提として

「モノを作って売る」ということ。これは長い歴史の中で、変化をしながらも常に行われてきました。現代では「ネットショップ」のようなツールを通じて場所や時間の制約なく**「モノを作って販売する」ことが当たり前になってきました。 **

でも、どれだけの時が経っても変わらないのは、「作り手」と「お客様」が存在して《売る》と《買う》プロセスを経るということがあります。

ただ、それをただのプロセスと捉えていると感動は生まれません。

それはなぜか?理由は簡単です。

〈売る〉=《伝える》という【行為】で、
〈買う〉=《伝わる》という【現象】だから。

当たり前に感じるようなことですが、これを理解していないといけません。

作り手はモノを作ります。
そこには必ず《想い》があります。
なぜそれを作ろうと思ったのか?という《原体験》があります。

作り手はモノの魅力に繋がる、原点を持っていて
それを《伝える》という【行為】をしなければ、
《伝わる》という【現象】は起きません。

そう、偶然はなく、必然なのです。
むしろ作り手にとっての《伝える》ということは義務とも言えるのではないでしょうか。

だからこそ、自分の原点を見つめ直す機会は必須です。

今回は私自身のブランドの原点と想いを文字起こしとしてnoteに記録して、

未来の自分へのメッセージ
未来のお客様へのメッセージに
したいと思います。

・原体験

冒頭で書いたとおり、私は元々は町の小さな下請け工場の職人でした。
半世紀前に祖母が創業した縫製工場です。

私の幼少期は自宅の一部で仕事をしていて、
遊び場は工場の段ボールの中でした。

当時から、夜な夜な仕事し、苦労しているのに儲からない家族の姿を見ていたため、正直縫製の仕事をしたいとは思っていなくて、高校を卒業すると共に美容師になるための道を選びました。というより、実家の仕事を敬遠して見ないようにしていたというのが正直なところです。

しかしある日、実家の縫製工場が繁忙期で納期に追われていたということもあり、仕事終わりに夜な夜な家業を手伝うことになりました。

そこで大きく考え方が変わりました。

工場で作っているのは、
誰もが知っている大手メーカーや有名ブランドのネクタイ。

当時の私からしたら、
そんな細部にまでこだわらなくてもいいじゃないかと思えるところにまでこだわるプロ意識。

大人になってみて改めて見た家業。
肌で感じた情熱。
高い技術力。

衝撃でした。

正直、周囲で縫製に携わる仕事をしている同年代もいませんし、どちらかというと、カッコ悪い仕事だと思っていました。

でも、自分が育ってきた背景にはこの仕事があって、
紡いできたストーリーは決してカッコ悪くない!と感じ、
この仕事を、よりカッコ良くしていきたい!

それを感じて、家業の縫製加工業に飛び込んだのです。

・なぜブランドを作ったのか?

家業をカッコ良く!
この想いで8年間経験を積んでいきました。

そこで生まれた想いがあります。それは、

自分たちの仕事を見える化して魅せるモノを作りたい
ということです。

一部の人からは、下請け工場が表に立つべきではないとか、主張しすぎとか、立場がどうとか、そんな声もありましたが、でもここで何もしなくて、価値を生み出すことも、未来を作ることもできません。

たしかに縫製という仕事自体は決して華やかとは言えないものかもしれません。しかし、素材を製品に変え命を吹き込むことができる縫製ただの裏方ではなく、カッコ良くあるべきだと考えて挑戦することを決意しました。

自分たちがやっている事業やモノづくり、商品を改めて見つめなおし、
持っている技術力+デザイン+価値化を行い、
ネクタイを生み出しました。

・こだわりのポイントと実績

我々は縫製の職人であり、決してデザイナーではありませんでした。
だからこそ、実行したことがあります。それは、

徹底的にお客様の声を聞くということです。

作り手である私自身が販売の最前線にたち、お客様の声を聞き続けることで、リアルニーズと作り手のエゴイズム的感覚のギャップを認識することから始めたんです。

そして、その感覚を具現化して世に真価を問う為に行ったのが、
クラウドファンディングです。

ここでも、田舎からはできない。とか、通用するわけがない。とバカにされたことさえありました。

しかし、私の取った《伝える》という【行為】
《伝わる》という【現象】を起こしました。

結果は、この記事を書いている2019年時点で、
ネクタイに関するクラウドファンディングプロジェクトで日本一の実績を上げる事ができたのです。

ロゴを同色で織り込んだSHAKUNONE'の代表的なシリーズです。
シンプルな中にも深みのあるデザインになり、今のブランドテイストの原点にもなりました。

もちろん、デザインだけではなく、低速織機で力強く高密度に織り上げられたシルク(絹)生地は、美しい光沢高級感を演出し、
細部にまでこだわった縫製技術しなやかな結び心地柔らかな風合いを実現しています。

それにより、派手さ圧倒的個性を追求するのではなく、
結び手であるお客様に『静かな迫力』を付与するネクタイになります。

SHAKUNONE’の評価や魅力はクラウドファンディングだけではなく、
有名百貨店のバイヤーの方の目にも止まり、首都圏での期間限定ショップの展開にも繋がりました。

そこでも高い評価を得て、大きな実績を上げました。

そしてネットだけではなく、定期的な実店舗展開をすることで、より多くのお客様との関係性を構築していくことで、その時々の声を聞き、プロダクトへと反映しています。
まさに、お客様と共に構築しているブランドなんです。

・ファンでいてくださるお客様、そして未来のお客様へ

ネクタイをすること。基本は単純です。

【大切な人を想う】

これが根底にあります。

・仕事に行く時
・大切な人へ贈る時
・祝福の時
・悲しみの時

時代や習慣もあるでしょう。
クールビスやオフィスでの服装のカジュアル化が進む中、ネクタイを結ぶ機会も減ってしまったかもしれません。

ただ、それはそれだけのこと。

シンプルに考えてほしいのです。

相手のことを想う。
大切な人を想う。

その真ん中にあるのがネクタイです。

ご自身の特別な一本に。
そして大切な人への贈り物として選んでいただきたい。

だからこそ、大切な皆様のことを想ってネクタイを作り続けます。

そして、一人でも多くの人にこの想いが伝わるように伝え続けます。

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