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わたしは目で話します~読書記録420~

わたしは目で話します 文字盤で伝える難病ALSのことそして言葉の力 たかおまゆみ

話せるってことがどれほど贅沢か、知っていますか。全身の筋肉が動かなくなる難病ALSを発症した著者が問いかける「人間にとって言葉とは?」

たかおまゆみ
1960年生まれ。金沢大学大学院教育学研究科修士課程修了後、日本聾話学校に勤務。その後、6年間のスイス・チューリヒ滞在を経て、ドイツ語の翻訳・通訳を始める。そのかたわら本格的にドイツ語を研究するため、2009年獨協大学大学院博士課程前期課程に入学。同年、神経難病のALSを発症。埼玉県在住。

著者は、若くして難病ALSを発症して現在も闘病生活を送られている。
私がこの病気を知ったのは1970年代。手塚治虫先生のブラックジャックでだった。

当時は、呼吸するのも困難になったら自然に。。。だったのではないかと思う。気管切開をすると24時間管理だ。技術的に手術が出来ても痰の吸入やら機械の管理やら、家族にも負担がかかる。まだヘルパー制度などもなかった時代であった。

著者はキリスト教徒である。友人の医師、清水俊二先生も神経内科の専門家でクリスチャン。ところどころに聖書の言葉が書かれている。
だからといって、あまり信仰的な本とは思えなかった。
著者の思うままに、多くの人を頼り出版にこぎつけた貴重な本。そんな感じだ。
病気の初期の時の著者の戸惑い、嘆き。正直に書かれていたことに好感が持てた。いかにもキリスト教信者の本らしく「神の摂理」だの計画だの書かれていたら、人間臭さが消えて読みたくなくなる。

国会議員でもALSの方がおられるが、何故に目には病気の症状は現れないのか不思議であった。わりと五感は健在であるらしい。話すことに関しては筋肉が衰えムリなのか。

私たちは、当たり前に口を動かしている。食べる事、話す事。それを感謝もせず、当たり前に想う日常。
著者は24時間、他人に介護をしてもらう日々であるが、他者との関り。その大切さを誰よりも知っているのだろう。

こちらが著者のブログだ。
今現在が健康であっても、いつ病を発症するか、事故にあうかわからない。
生き方を学んだ。



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