「私たちに必要な糧を今日も与えてください。」新約聖書・マタイによる福音書6章11節

　私たちは今、生きています。心臓が動き、呼吸をし、血液が巡って、体は一定の体温を保っています。何かを考え、何かを感じ、空腹や乾きを感じて食べたり、飲んだりします。夜眠り、朝目覚め、また昨日と同じように私たちは同じ事を繰りかえしていきます。私たちはこの肉体を自分自身だと思い込んでいるので、病や老いを恐れます。そして、健康な体であろうと栄養に気を配ったり、運動したり、定期的に検査を受けたりなどして、体を管理することに一生懸命になります。また、反対に体のことに気を配らずに暴飲暴食したり、薬さえ飲めばなんとかなると考えている人もいます。

　しかし、本当の意味で人間は体を管理することはできません。呼吸、心臓やその他の臓器の働き、自律神経の切り替えやホルモン分泌など体にとって重要な多くの仕事は私たちの意識とはまったく無関係に行われています。私たちが出来ることといったら、食べるものや飲むものを選んだり、脱水を起こさないように水分を摂ったり、排泄したい欲求がきたらトイレにいったり、生命活動のうちのほんの一部のことしかしていません。それでは私たちの体は一体どのように管理されているのでしょうか？