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たったひとりに向けて

どうも、しゃみずいです。
最近、他人様の創作論をお話しいただく機会がとみに増えまして。
どなた様の方針も、実に具体的で、実に実践的で。
それに比べますと、しゃみめのやり口というのは、
どうにもフワフワしておりますね💦
ただ、しゃみめのやり口のいいところも見つけました。
あるんですよ。ちゃんといいところも。
今回は、そのあたりをお話しいたします。

コンセプトとターゲット

しゃみめの創作といいますと、もちろんシナリオです。
TRPGのシナリオだったり、マダミスのシナリオだったり。
時には孫娘のために舞台の脚本を書くこともあります。
シナリオを作る前に、皆さんは何を考えていますか?
「最高に泣ける物語を生み出してみせる!」
「ハラハラドキドキの冒険活劇にするんだ!」
いろんな意気込みがおありでしょう。
作品を通して何を表現したいのか?
これがコンセプトです。


で? それを誰に向けて書くんですか?
これが明確でないまま書いていけないってことはありません。
ただ、明確であったほうが、いいことがあります。
相手にきちんと、あなたの作品を届けることができるのです。
あなたは蕎麦を作った。
でも、相手はカレーを食べたかった。
こんなミスマッチは双方にとって不幸です。
ターゲットを定めることが大切なのです。
今日はそんな話です。

自分に、自分以外に、そしてたったひとりに

創作には対象があります。
相手がいるんです。

自分のために書く人もいます。
自分がそうしたいから、ただただ溢れるアイデアを書き連ねる。
こういう人もいます。

また、自分以外の誰かに向けて書く人もいます。
自分を客観視するために、世界と自分の距離を確かめるために書く。
こういう人もいます。

そしてしゃみめの場合なのですが。
しゃみめは『たったひとりに向けて』書きます。
ターゲットを「このひとり!」と定めて書くのです。

これらはそれぞれ、どう違うのでしょうか?

アパレルに例えると

これ、アパレルに例えると面白いんです。

自分のために書く人は、裁縫好きな趣味人です。
自分が着たい服を手作りする人です。
誰かに向けてではなく、自分のなかのイメージを出力し続けます。
多くの創作者はアマチュアの域を出ませんが、時折天才が生まれます。
才能があれば、世界のほうから見つけてもらえるでしょう。

自分以外の誰かに向けて書く人は、ファッションデザイナーです。
自分のなかのイメージに普遍性があるかどうか?
広く大衆に届くのか?
到達点が端から高いわけです。
望みに届く人と、そうでない人。
才能のあるなしがはっきり目に見えてしまう、辛い生き方です。
ここで大成できるのは、言ってみればブランドの総帥なわけです。

たったひとりに向けて書く人は、仕立て屋です。
相手の求めに応じ、相手に似合う服を誂えます。
もしも似合いの服を仕立て上げることができれば。
相手は喜んでくれます。
これが生き甲斐です。
家族に好みの味付けの料理を作ってあげるようなものです。
はっきり言いまして、これには才能があまり関係ありません。
経験の積み重ねと、相手との対話が大切なだけです。

ターゲティングに立ち返って

自分に向けた創作物で、世間をアッと言わせる。
これは天賦の才です。
欲しがって手に入るものではありません。

自分のなかにある情熱で、全世界を満たす。
これも大変な才能が必要でしょう。
あればいいのですが、ほとんどの人にはありません。

上記のようなアプローチでは、
しゃみめのような凡夫には創作をだれかに届けることができないのです。

だからこその『たったひとりに向けて』です。
今、目の前の、知ること知らせることのできる、たったひとり。
このひとりを満たすものをせっせせっせと生み出す。
これには絶大な才能は要りません。
直向きに、そして根気強く取り組めば、きっとたどり着けます。
デザイナーである必要はないんです。
職人であればいいのです。

これから何かを創作してみようという人へ

マダミスのシナリオを店舗に卸すぞ!
TRPGのシナリオを公開して万バズするぞ!
目標としては結構ですが、これはターゲティングとは言えません。
もしあなたの側に、普段からいっしょに遊んでくれる人がいるのなら。
どうか、その人を喜ばせるシナリオを書いてみてはいかがでしょうか?

「あの子は、悲しい別れに弱いんだよな~」とか
「この人、動物と年寄りにはめちゃくちゃ共感するよねw」とか
何に心を揺らし、何を喜ぶのか? あなたはきっと知っているはずです。

だったら

それを知っているあなたこそが、
そのたったひとりを喜ばせることができるはずです。


そして、たったひとりが喜ぶことが、
もしかしたらもっとたくさんの人に楽しんでもらえるかもしれません。
かもしれません。
多くを望んではいけません。
まずたったひとりのために精一杯を尽くすことを
あなた自身に楽しんで欲しいのです。

そう

喜んでもらえるのは、そりゃもう楽しいことなのです。

それがたったひとりに向けたものなら。
目的までが近くて、そして目的達成を確かめるのも簡単です。
なにせ、目の前で喜んでくれるかどうか実際に見ることができます。

ほらね?
楽しそうでしょう?

大好きな人に料理を作るみたいな気持ちで。
とびっきりの一張羅を仕立てるみたいな気持ちで。
どうかあなただけの創作の一歩を踏みだしてみてくださいね。



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