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読書感想文 #59 『三条実美』

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

今日は朝寒くてびっくりしましたが、日中は暖かく、よくわからない天気でした。


今回はこちらの読書感想文になります。

三条実美 
維新政権の「有徳の為政者」

内藤 一成著

概要

三条実美(1837~91)は、過激な攘夷派公家、七卿都落ちで知られ、明治維新後は新政府で右大臣・太政大臣としてトップとなる。だが、征韓論の議論をまとめきれず卒倒。無能な人物とされてきた。しかしそのような人物が、維新後18年もの間、なぜ政権の頂点に居続けられたのか――。本書は、時代の寵児として脚光を浴びた青年期から、空白だった太宰府時代、脇役とされた新政府内での動向など、その生涯を丹念に追い、三条の実像を描く。

目次


第一章 公家の名門に生まれて 3 第二章 尊攘派公卿としての脚光 33 第三章 長州・太宰府の日々 85 第四章 明治新政府の太政大臣 127 第五章静かな退場-太政官制から内閣制へ 195

感想
さんじょう さねとみ、征韓論で揉めて西郷隆盛らのプレッシャーに耐えられず倒れてしまう頼りない印象が強い人でしたが、波乱万丈の人生を送っていたことを知りました。
徳川幕府から明治維新を経て日本が近代化するのに、西郷、大久保利通、木戸孝允の三傑、岩倉具視、伊藤博文、坂本龍馬、中岡慎太郎、様々な偉人がいましたが、この三条実美もお飾りのような立場でありながら、天皇と朝廷、志士とのバランスを取る存在で、なくてはならない存在であったのは驚きでした。倒れた際に正一位に男性では1121年ぶりに叙せられ、以後生前に叙せられた者は現在までいないという、それだけ功績が認められた者であるということです。そして亡くなり、国葬だけでなく、日本各地で追悼行事が行われたという。つまり当時の評価は非常に高かったことになります。今の日本を作ったのは維新のヒーローや初代総理大臣だけでなく、三条のような間に入って調整役もいなければならなかったということが非常によくわかりました。つまりいろいろな役割をこなす人がそれぞれいないと奇跡のような近代化はできなかったわけで、日本はそれができた、できなかった国は今でも政府が腐敗していたり、独裁のならず者国家になっていたり、民主国家にはなれていないのです。感謝しかないですね。

それではまた。




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