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読書感想文 #55 神さまの貨物

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

今日も日中は暖かくて過ごしやすかったです。朝晩は冷えるので風邪には気をつけたいですね。

今日は図書館で借りた下記の本の感想です。

神さまの貨物

ジャン=クロード・グランベール著
河野万里子 訳

概要
大きな暗い森に貧しい木こりの夫婦が住んでいた。きょうの食べ物にも困るような暮らしだったが、おかみさんは「子どもを授けてください」と祈り続ける。そんなある日、森を走りぬける貨物列車の小窓があき、雪のうえに赤ちゃんが投げられた――。明日の見えない世界で、託された命を守ろうとする大人たち。こんなとき、どうする? この子を守るには、どうする? それぞれが下す人生の決断は読む者の心を激しく揺さぶらずにおかない。モリエール賞作家が書いたこの物語は、人間への信頼を呼び覚ます「小さな本」として、フランスから世界へ広まり、温かな灯をともし続けている。

感想
戦争で人々は貧しく、ユダヤ人の迫害は理不尽極まりないわけで、そんな極限の中で当然現れた双子の赤ちゃんを救おうとするおかみさんが自分のことしか考えられない輩に必死に頼んで渋々隠していたヤギの乳を上げて、なんとか生きながらえて、成長する姿は不幸な世の中とは無縁のような癒やしにもなり、人間とはなにか考えさせられるような内容になっています。
時代に左右されて、今と比べて客観的には全然幸せではないのだけれど、どこか心は豊かというか、ピュアな世界が描かれ、美しも感じられます。
話題になっていたとか知らず、手にとってなんとなしに読みやすそうと思って読んだら、静かなストーリーなのに、あとからジワジワくるような感じで、読み終えてから数日経って隠れた大作のように思えました。


それではまた。


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